ゲームを「習い事」にする――
そんな未来を目指して、プロのゲームトレーナーからゲームの遊び方を学ぶプログラム「ゲムトレ」を立ち上げたのは、株式会社ゲムトレの代表取締役・小幡和輝さん(26)だ。
和歌山県湯浅町に生まれ、小学2年生から中学2年生まで不登校を経験。その後はフリースクールや夜間定時制高校に通い、高校3年生の時にイベント企画の合同会社「和―なごみ」を1人で起業した。
現在は「ゲムトレ」と「和―なごみ」、2つの会社の経営している小幡さん。不登校を経て、どんな思いで起業したのか。そしてこれからどこを目指していくのか。
会社ウォッチ編集部は2021年4月20日、小幡さんを取材。前編・後編の2回に分けて紹介する。
参考リンク:不登校から18歳で起業 人生を救ってくれた「ゲーム」を通じて、子供たちに伝えたいこと(後編)【若手経営者インタビュー】
小2で不登校、カードゲームにハマる
――小幡さんが学校に行かなくなった経緯を教えてください。
小幡和輝さん「集団生活が苦手で、幼稚園のころから行き渋りがありました。小学校にあがると、さらにルールや縛りがきつくなって。例えば、運動が本当に苦手なのに、逆上がりをできるまでやらされる。給食は食べ終わるまで休みに入れないなど、その時間がとても辛かったです。そこから休みがちになり、最後はいじめがきっかけで不登校になりました」
――不登校になった後は、どのように過ごしていましたか。
小幡さん「教育番組・クイズ番組が好きだったので、それを見ていました。他にはゲーム、漫画、アニメなど。同じく不登校のいとことよく遊んでいましたが、いとこがフリースクールに行くと言い始めたので僕もついていきました。小学4年生の時ですね」
――そのころからゲームをやっていたんですね。
小幡さん「ゲームは3歳くらいから、いとこが遊んでいるのを見ていました。中学生2年生の時にハマった遊戯王のカードゲームは、起業の原体験ともいえます。大会に出て、勝って賞金をもらっていました。大会の企画運営にも携わりましたね」
――そのころからイベント運営に興味があったんですね。
小幡さん「そうですね。起業のきっかけとなったのは、高校生の時に手伝った友人のライブイベントです。ライブハウスでのイベントでしたが、それがとても面白くて。
最初の頃は、受付とお客さんの誘導。1年くらい手伝ううちに出演者の順番を考えるなど、より深く運営に関わるようになりました。これをもっとやりたいなと思い、自分でライブイベントを企画するようになって、それをそのまま法人会社にしました」
――やりたいことの延長線上で起業に至ったのですね。起業にあたり、どのような準備やリサーチをしましたか。
小幡さん「特にしてないですね。『会社 作り方』出て検索して、大元のものをある程度作り、起業に詳しい友人に手伝ってもらいながら立ち上げました。事業内容はイベント企画ということしか決まっておらず、ビジネスモデルもありませんでした」