「旧帝大卒なのにパート 『学歴なりの仕事』がしたい!」高学歴自慢主婦の投稿が大炎上! 専門家に聞いた

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「難易度が高く責任も重い短時間正社員を目指しては」

――なかには、せっかく旧帝大を出た高学歴なのに専業主婦の扶養内のパートでは、お受験を目指す子どもに対して「ロールモデル」(お手本となる人物)にならない。正社員を目指すべきだ、というキツイ意見がありました。

川上さん「正社員と呼ばれる働き方を目指すことも一つのロールモデルだと思いますが、高学歴を目指す目的はさまざまです。仕事に結びつかなくても、教養を深め、知性を磨くこと自体も学問に励む大切な目的の一つです。また、専業主婦も社会における立派で貴い役割の一つです。学問を修めた人が専業主婦としての務めを果たすこともまた、立派なロールモデルの一つだと思います。
それぞれのご家庭にはそれぞれの教育方針があるため、何が正しいと一概に決められるものではないと思います。高度経済成長期と現在、そしてお子さんたちが社会に出るころの未来とでは、高学歴を求める意味も同じではないはずです。正社員だからロールモデルになる、専業主婦だからロールモデルにならない、と一面的な価値観で括るのではなく、学ぶことの意義そのものに目を向けることが大切なのではないかと考えます」

――川上さんなら投稿者にどんなアドバイスをしますか。

川上さん「まず、投稿者さん自身が考える『学歴なりの仕事』とはどのようなものかを具体的にしたほうが良いように思います。『もっと難しいことがしたい』という思いもあるようですが、単に難易度が高い仕事であれば満足することでもないように感じます。
仕事に貴賤はありません。パート勤務で単調な仕事であったとしても、そこから得られるものがある人もいれば、ない人もいます。また、なかにはパート勤務のような短時間でも、より難易度が高く責任も重い短時間正社員のような働き方もあります。『学歴なりの仕事』が短時間でやりがいのある仕事なのであれば、短時間正社員という選択肢もぜひ検討していただきたいと思います。
『学歴なりの仕事』のイメージが具体的になれば、自ら事業を起こしたり、個人事業主として仕事に携わったりすることも選択肢に入ってくるでしょう。いずれも時間の融通が利きやすく、かつ大学で学んだ知識や向学心を活かすこともできる働き方だと思います」
夫の家事・育児のかかわりがポイント
夫の家事・育児のかかわりがポイント

――夫がどこまで家事・育児に関わっているかも大事な問題になりますね。

川上さん「そのとおりです。家事や育児を投稿者さんが行うことが前提になっていると感じることが気になります。ご夫婦で話し合って納得した上での役割であればよいのですが、そうでないのなら一人で悩まずに、夫との間で家事・育児の分担方法について話し合い、再設計することも選択肢に入ってくるかと思います。
世の中にはまだ『夫は仕事、妻は家事』という性別役割分業意識が根強く残っています。一度、いまのライフスタイルをゼロベースで見直してみることで、新しいライフスタイルとワークスタイルのイメージが見えてくるかもしれません」
(福田和郎)
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