「政策に売りなし」という相場格言がある。野村證券の証券用語解説集によると、「国の政策に関連した業種や銘柄は値上がりしやすいという意味」という。
そうくれば、「CO2ゼロ宣言」だろう。菅義偉首相が昨年(2020年)10月、所信表明演説でぶち上げた。2050年までに、CO2をゼロに削減するという。この4月22日には、その過程である2030年の削減目標として、「13年度比で46%削減」を打ち出した。
おのずと、再生可能エネルギー事業の周辺は盛り上がってくるはずだ。
気候変動危機を避けるための「決断」
地球温暖化によるここ数十年の気候変動は、人間の生活や自然の生態系にさまざまな影響を与えている。たとえば、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつなどの影響、食糧生産や健康など人間への影響が観測され始めている。
2021年4月22日にはバイデン米大統領の呼びかけで、オンラインによる「気候変動に関する首脳会議」(サミット=気候変動サミット)が開かれ、これには人権問題などで米国と「対立」する中国の習近平国家主席も参加。バイデン米大統領は「持続可能な未来に向けて行動すべき。今後10年で気候変動危機による最悪の結果を避けるための決断をしなければいけない」と訴えた。
地球環境保護、気候変動の問題は、まさに「待ったなし」。それが世界共通の認識になってきたようだ。
そんな地球温暖化への対策として、再生可能エネルギー(風力、太陽光、水力)が、注目を集めている。なかでも、風力発電については日本経済新聞(4月16日付)に、「再生エネルギーの柱となる洋上風力発電は40年までに原発45基に相当する4500万キロワットを導入する目標がある。送電網の増強案は洋上風力の8割が立地に適した北海道、東北、九州に集中する前提で首都圏や関西圏など遠隔の大消費地に電力を円滑に送れる体制を整える」
北海道と関東を結ぶルートでは海底ケーブルを日本海側と太平洋側に敷設する」とあった。
「風力発電施設」を建設、運用をするためには、地質調査に始まり、土木・建築、送電網、蓄電設備など多くの分野がかかわる、大規模なプロジェクトが必要となる。そこで地質調査のトップ企業である「応用地質」に注目してみた。