ドイツはついに「緊急ブレーキ」導入! コロナ検査日常化で「第3波」封じ込めなるか?(神木桃子)

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ショッピングの前にはコロナ検査?!

   感染が拡がるなか、日常的になっているのがコロナ検査です。以前より、老人ホームや病院、学校などでスタッフや入居者の定期的な検査に使用されていた「迅速抗原検査」。この検査を、3月8日からすべてのドイツ市民が、少なくとも週1回無料で受けることができるようになりました。

   検査場所は、保健所が設置した検査センターや、委託された薬局、開業医による診療所など。自分で検査場所を調べ、予約して検査を受ける流れです。検体を採取したその場で検査をするため、おおむね1時間もしないうちに検査結果を受け取ることができます。

   前述のように、7日間指数が100を超えた地域では、事前予約をした買い物の際に陰性証明の提示が義務。週末になると検査用の簡易テントの前に行列ができる、なんて光景も見慣れてきました。

   同様に、セルフ検査キットの利用も広がっています。ドイツ連邦機関によるタスクフォースは、1億3000万以上の検査キットを3月から4月までの2か月間分として調達。薬局やドラッグストアで販売しているだけでなく、州政府による学校や幼稚園などへの配布や、企業による従業員への配布などで、市民が自己診断する機会が増えています。

家庭でのセルフ検査キットの利用も広がっている。だ液を用いるタイプ(左)と咽頭拭い液を用いるタイプ(右)の2種類がある(筆者撮影)
家庭でのセルフ検査キットの利用も広がっている。だ液を用いるタイプ(左)と咽頭拭い液を用いるタイプ(右)の2種類がある(筆者撮影)

   先日も、娘の通う幼稚園で希望者にセルフ検査キットが配布さればかり。あくまでも任意ですが、週2回、家庭で検査を実施するよう推奨されています。検査キットの使い方を紹介する子供向けの人形劇の動画が友人から送られてきたときには、ここまで生活の一部になってきたのかと驚きました。

   学校勤めの夫を持つ友人は、「(夫は)週に2回検査しているので安心な一方、いつ陽性判定が出るか気が気じゃない」と話しています。

   検査が広く実施されること自体は、感染防止のために歓迎すべきことですが、ますます新型コロナウイルスに翻弄されているような気もします。緊急ブレーキの暫定措置は6月30日までとなっており、まだまだ終わりは見えてきません。

(神木桃子)

高橋 萌(たかはし・めぐみ)
高橋 萌(たかはし・めぐみ)
ドイツ在住ライター
2007年ドイツへ渡り、ドイツ国際平和村で1年間の住み込みボランティア。その後、現地発行の日本語フリーペーパー「ドイツニュースダイジェスト」に勤めた。元編集長。ドイツ大使館ブログでは「ドイツ・ワークスタイル研究室」を担当。サッカー・ブンデスリーガ大好き。日本人夫とバイリンガル育児に奮闘中。
Twitter: @imim5636
神木桃子(こうぎ・ももこ)
神木桃子(こうぎ・ももこ)
ドイツ在住ライター
島根県生まれ、東京・多摩育ち。物事の成り立ちを知りたいと大学では有機化学を専攻。小売業界でのオーガニック製品や地域産品のバイヤーを経て、2014年よりドイツに移住。「もっと心地よくグリーンな暮らしへ」をテーマに、ドイツのマーケット情報やトレンド、ライフスタイルについて執筆活動中。3歳になる娘と日本人の夫との3人暮らし。
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