「4月になれば、制限も緩和されるはず」
そんな淡い期待はつゆと消え、新型コロナウイルスの封じ込めは、ひと筋縄ではいかないと、いまの状況は突きつけてきます。
2020年の年明けから世界で猛威を振るい始めましたが、ここドイツでも感染防止対策として商店や学校の閉鎖、接触制限などの規制を導入。そして、感染拡大のスピードが緩やかになっているとして、一部の制限措置の緩和が決定したのが、昨年の4月でした。
あれから一年がたったいま。昨年末から続くロックダウンによって、いったんは落ち着いたにもかかわらず、3月から再び感染が拡大。イースターの連休で人の移動が多かったことも起因となり、現在、ドイツは「第3波」に見舞われています。そこで独連邦議会は2021年4月21日に改正感染症予防法を可決。「ほかに道はない」と、ドイツ全土で統一的な「緊急ブレーキ」と呼ばれる制限措置の導入を決定しました。
7日間指数100を超えたら緊急ブレーキ発動!
今回の措置を実施する基準となるのが、「7日間指数」と呼ばれる、過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数です。市や群などの地域ごとに、「3日連続でこの数値が100を超えた場合」2日後から、以下のような暫定措置が適用されます。
≪緊急ブレーキ時の制限措置≫
・プライベートの集まり
屋内外で集まれる人数は自分の世帯と別世帯の最大1人まで
(14歳未満の子どもは数に入れない)
・夜間の外出制限
午後10時から午前5時までの外出は仕事や医療など正当な理由がある者のみ
・店舗、サービス業
事前予約と陰性の検査結果を有する場合のみ買い物が可能
(食料品店など生活に必要とされる店舗やサービス業は対象外)
ただし、7日間指数が150を超えたら閉鎖
・娯楽、文化施設
すべて閉鎖
(動物園および植物園の屋外エリアは例外)
・学校や保育施設
コロナ検査を週2回実施したうえで、対面とオンラインの混合授業を実施
ただし、7日間指数が165を超えたら対面授業は禁止、また緊急保育のみ提供
4月27日現在、ドイツ全体の7日間数値は175。9割近い地域が緊急ブレーキ発動対象となっています。日本でも7日間指数は感染状況を示す指標のひとつですが、最も高い「ステージ4」の数値は25人以上。ケタの違いに感染状況の深刻さを改めて感じさせられます。