「ああ、この会社に入って本当によかった~!」。心の底からそう思えて、後輩や友人にもオススメしたい企業はどこか――。
転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するOpenWork働きがい研究所が「新卒入社してよかった会社ランキング2021」を、2021年4月27日に発表した。
「ベスト30」を見ると、さまざまな「入社したい企業ランキング」調査では上位を占める総合商社が1社も入らず、また日系の有名大手企業もほとんど顔を見せず、外資系やIT企業、そして個性的な日系企業などが並んだ。
1位グーグル、2位ベイン&カンパニー、3位サイボウズ
調査は、Open Workにクチコミ投稿した会員による自分が勤める会社への評価レポート約11万9000件をもとに行われた。基準は「先輩」として「後輩」に入社を勧めたいかどうかだ。
OpenWorkに会社の評価レポートを投稿する際、「あなたは、この企業に就職・転職することを親しい友人や家族にどの程度勧めたいと思いますか?」との質問に、0~10点で答える形で集計してランキングを作成した。
その結果、1位にIT企業のグーグル、2位にベイン・アンド・カンパニー・ジャパン、3位にソフトウエアのサイボウズ、4位にマンション開発のコスモスイニシア、5位にソフトウエアのアシスト、同率の6位にクラウド名刺管理サービスのSansanと、インターネットメディア事業のキュービック、8位にコンサルティングのマッキンゼー・アンド・カンパニー、9位にITコンサルティング・システムのJSOL、10位にITソリューションの電通国際情報サービスという結果になった。
変わったところでは、12位の官庁の特許庁、24位に独立行政法人。都市再生機構などが目を引いた。上位5社のクチコミによる会社評価をみると、若いうちから成長できる環境や自由さ、チームワークの良さなどを挙げる声が多くみられた=下表参照。
1位のグーグルは、「オススメ度」が10点満点中9点という非常に高い点数になった。グーグルに新卒入社した社員のクチコミを見ると、個人の裁量が大きく、スピード感のある働き方、多様性が尊重される組織風土であることがうかがえる。こんな声が寄せられた。
「社員それぞれのバックグラウンドや個性、アイデアを尊重する文化が隅々まで行き届いていました。それぞれの違いを理解し、尊重する点では、入社時のトレーニングだけでなく、入社後も定期的にオンライン、オフラインのトレーニングが提供されます。オフラインのトレーニングでは、心理学に基づいたアンケートをもとに、それぞれの社員の外交的、結果に執着するチームワークを大切にするといった個性が共有され、相手の個性を尊重し、適切なコミュニケーションを考えることが推奨されました。定期的に届く経営陣からのメールでも、違いや個性を尊重しようというメッセージが繰り返し共有されます」(広告サービス部門、男性)
「性善説に基づき、社員を信頼してマイクロマネジメント(編集部注:過干渉してしまうマネジメント)をしない。何か困っている人がいれば基本的に助け合う文化。辞令などはないので、基本的に自分の意思次第でチーム異動やプロジェクトへの配属が決まる」(営業、男性)
「とにかくスピード感があります。物事の意思決定やその後のプロセスが速く、問題が起きてもあっという間に方向性が決まります。取り組むべきタスクも非常に速く出てきます。周りが速く動く分、自分も同じスピード感で働くことが求められます」(アカウントマネージャー、女性)
「年齢やキャリアの壁が薄く、盛んな交流や相談ができる環境だと思います。この自由な環境こそがこの会社の最大の特徴であるといって差し支えないでしょう。フラットで決断が速い社風、組織体制です。個人の裁量が大きいですが、気のよい方が多いので、頼ることができれば苦となりません。それができないと少々辛いかもしれないです」(営業、男性)