第二新卒(職歴3年未満)の転職理由が、「やりがい重視」にシフトしてきた。新型コロナウイルスの感染拡大が転職理由に大きな影響を及ぼしている。
転職サイト「Re就活」を運営する株式会社学情の「第二新卒(職歴3年未満の20代)の転職意識に関する調査」によると、第二新卒の転職理由で最も多かったのは「もっとやりがい・達成感のある仕事をしたい」で 31.6%。次いで「給与・年収をアップさせたい」の29.7%、「残業を減らしたい・休日を確保したい」の24.3%だった。2021年4月27日の発表。
転職理由「給与・年収アップ」は1.4ポイント減少
調査によると、「もっとやりがい・達成感のある仕事をしたい」、「給与・年収をアップさせたい」、「残業を減らしたい・休日を確保したい」の3位までの回答は、2020年5月の調査と順位は同じ。ただ、1位の「もっとやりがい・達成感のある仕事をしたい」(32.4%)は0.8ポイント減。2位の「給与・年収をアップさせたい」(31.1%)は1.4ポイント減った。前回から小幅な減少にとどまったが、3位の「残業を減らしたい・休日を確保したい」は前回の31.1%から6.8ポイント減と大きく減らした。その半面、4位の「希望の勤務地で働きたい」は21.8%と、前回の14.5%から7.3ポイント増加した。
この結果から、学情は「プライベートな時間の確保は転職理由としては減少傾向にあることがわかる一方、コロナ禍での働き方の変化により、転職理由にも変化が生じていると推察される」としている。
「幅広い経験・知識を積みたい」(前回19.1% → 20.1%)、「専門知識・技術を習得したい」(前回13.7% → 16.4%)なども前回を上回った。
「キャリアアップ」より「キャリアチェンジ」
新しい職場に求めること(3つまで選択)を聞くと、「良好な人間関係」が43.5%でトップ。前回(45.2%)をやや下回った。
前回と比べて増えたのは、3位の「仕事内容にやりがいがある」(30.2%)で、前回(26.1%)から4.1ポイント増えた。また、「スキルを身につけて成長できる」(29.1%)は3.4ポイント増、「希望の仕事に就ける」(16.7%)は4.3ポイント増だった。
学情は、「いずれも『仕事内容』や『スキル』に関する項目で回答が増加しており、仕事内容やスキル習得を重視して転職活動をする第二新卒が増加していると推察される」とみている。
転職で実現したいキャリアについて聞くと、62.8%が未経験の業界や職種に飛び込む「キャリアチェンジ」(「キャリアチェンジ」の44.4%と「どちらかと言えばキャリアチェンジ」の18.4%の合計)と答え、職歴が浅い第二新卒には「新しい業種や職種に挑戦したい」という気持ちが強いようだ。
ポジションや報酬アップを目指す「キャリアアップ」は、22.6%(「キャリアアップ」8.8%と「どちらかと言えばキャリアアップ」13.8%の合計)だった。
なお調査は、「20代専門」転職サイト「Re就活」へのサイト来訪者を対象に、2021年3月1日~14日に実施。有効回答数は790人。