日本電産株が急落! 今期予想が最高益更新なのに失望売り CEO交代も市場には届かず......

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   精密モーター大手、日本電産の株価が2021年4月23日に一時、終値で前日比1170円(8.4%)安の1万2800円まで急落した。22日の取引終了後に発表した2022年3月期の業績予想がアナリスト予想の平均を下回ったことで失望売りが優勢となった。

   業績予想や21年3月期連結決算と同時に、初の最高経営責任者(CEO)交代も発表されたが、カリスマ経営者の永守重信(ながもり・しげもり)氏(76)が引き続き代表取締役会長にはとどまり、重要事項の決定権を持ち続けるため、短期的な影響は小さいとして、むしろ、従来どおり「(永守氏への)依存度が高いことがリスク要因」(SMBC日興証券)との見方が再確認されている。

  • 「がっちり握手」新たに社長兼CEOに就く関潤氏(左)と、右が会長の永守重信氏(写真は、日本電産のホームページより)
    「がっちり握手」新たに社長兼CEOに就く関潤氏(左)と、右が会長の永守重信氏(写真は、日本電産のホームページより)
  • 「がっちり握手」新たに社長兼CEOに就く関潤氏(左)と、右が会長の永守重信氏(写真は、日本電産のホームページより)

関氏は「即断能力、人格どれをとってもCEO」

   では、2022年3月期の業績予想を確認しておこう。売上高は前期比5.1%増の1兆7000億円、営業利益は12.5%増の1800億円、最終利益は14.8%増の1400億円を見込む。最終利益は過去最高を更新するものの、発表直前の市場予想の平均1527億円を下回った。

   世界的な半導体不足で自動車メーカー各社は減産を強いられており、自動車メーカーにモーターを納品する日本電産もその影響を免れないという連想が働いたようだ。実際、4月22日のオンライン記者会見で永守会長は業績予想について「コロナの状況や顧客の半導体不足の影響を踏まえて少し保守的にした」と述べた。

   一方、同時発表で話題を呼んだのはCEOの交代だ。6月22日に予定する株主総会後の取締役会で永守氏は会長兼CEOから会長専任となり、関潤(せき・じゅん)社長兼最高執行責任者(COO)(59)が社長兼CEOに就く。関氏は1986年に日産自動車に入社し、副COOにまで昇り詰めたが社内の権力闘争に敗れたところを永守氏が拾い上げ、20年1月に日本電産に入り、4月に社長兼COOとなった。

   1年余りでCEOになるということでトントン拍子の出世と言えるだろう。記者会見で永守氏は、

「1年間仕事をしてきて経営手法も私に似ている。即断能力、人格どれをとってもCEOの後継者にふさわしい」

と語った。

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