橋下徹氏「小池氏は五輪中止を見据えている」
それにしても、東京五輪にあと90日を切った現在、政府の「顔」と東京都の「顔」が角を突き合わせて大丈夫か――。
4月28日放送のテレビ朝日モーニングショーでは、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が、
「丸川さんがいきなりケンカを売ったようだが、そうではない。丸川さんは就任後に小池さんに挨拶に行き、『入国の水際対策は国、医療は都でやりましょう』と仕分けしたが、東京都からその後の話がこない。丸川さんが電話して『どうなっているのでしょうか』と言えば済む話だが、非公式では話が進まないので、公開質問状を出したということです」
と、丸川氏擁護の解説をした。
これに対して、元週刊AERA編集長の浜田敬子さんが、
「看護師500人の要請は、『医療が逼迫しているこのタイミングで言うのか』というのが国民の率直な感想」
とチクリ。テレビ朝日コメンテーターの玉川徹さんも、
「こういう楽屋裏の話をわざわざ会見で言う意図は何なのか。政府が都と一体となって協力できていないことを国民に明らかにする意味は何なのか。こんなことやっていたら国民に疑念を持たれるだけです」
と猛反発していた。
一方、元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が4月27日、TBSの「ゴゴスマ~GoGo Smile」に出演。丸川珠代五輪相と小池百合子都知事のバトルについてこうコメントした。
「小池さんのほうが一枚も二枚も上手ですよ。小池さんは世間の、有権者の感覚に乗っかるのは天才的な能力がある。この状況で世論調査やっても中止、延期が圧倒的多数です。だからこんなところでやる、やると前のめりしてしまうと民意が離れる。状況を見て本当に無理だなとなったとき、それを感じれば一段早く中止というのではないか。小池さんがリードしてなんとなく世間が思っていた中止に先鞭をつけたことになる」
都議選も控えており、「中止」カードを切るタイミングを見計らっているのではというわけだ。
(福田和郎)