企業選択のポイント「安定している」が最多 コロナ禍が影響、過去最高の割合に

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   2022年卒業の大学生に、就職活動で企業を選択する場合、どのような企業がよいかを聞いたところ、「安定している」ことが42.8%に達した。株式会社マイナビが「2022年卒大学生就職意識調査」を、2021年4月26日に発表した。前年調査から4.5ポイント増え、01年卒の調査以降で最も高かった。

   新型コロナウイルスによる感染の拡大で経済状況が不透明になったことが影響したとみられる。

  • 2022年卒の就職観「人のためになる仕事」が増加
    2022年卒の就職観「人のためになる仕事」が増加
  • 2022年卒の就職観「人のためになる仕事」が増加

行きたくない会社は「きつい、暗い、転勤多い」

   調査で、2022年卒の大学生の就職観を聞いたところ、「楽しく働きたい」と答えた人は34.8%で最も多かったが、前年比で1.0ポイント減った。その一方、「人のためになる仕事をしたい」と答えた学生は15.2%で、前年から1.5ポイントも増えた。

   これまでも経済状況の悪化や大きな災害などが起こったときは、「楽しく働きたい」との回答が減り、「人のためになる仕事をしたい」という人が増えたが、コロナ禍を背景にその傾向が強まったようだ。

   コロナ禍前の20年卒から22年卒の3年で変化をみると、「楽しく働きたい」は20年卒に比べて3.8ポイント減少し、「人のためになる仕事をしたい」は3.1ポイント増加した。

   企業を選択する場合に、どのような企業がよいかを聞いたところ、「安定している会社」との回答が42.8%で最多。前年からは4.5ポイント増加した。

   企業選びのポイントでは、例年重視される「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が前年比1.3ポイント減の34.6%、「給料のよい会社」が同2.3ポイント減の17.5%といずれも減少。こうした点を踏まえ、マイナビは

「新型コロナウイルス感染症の影響による不透明な経済情勢を反映して、少しでも安定した未来を見通せる選択をしたいとする思いがうかがえる」

と分析した。

   また、「行きたくない会社」を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で35.8%(前年比1.3ポイント増)。次いで「暗い雰囲気の会社」で28.9%(同0.6ポイント減)。これらの2項目は08年卒を対象とした調査以来変わっていない=グラフ参照

   22年卒の学生の「行きたくない会社」の理由で、増えたのは「転勤の多い会社」。前年から2.2ポイント増の24.9%だった。

   「コロナ禍の影響でテレワークなど、働く場所を自分で選択するような価値観が社会に広がりつつあるが、学生の志向にもその影響が及んでいるとみられる」と、マイナビは指摘している。

   なお調査は、学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握する目的で、1979年の卒業生から毎年実施。今回は、22年卒業予定の全国の大学4年生と大学院2年生を対象に、2020年12月1日~21年3月20日に実施した。有効回答は、4万1731人(文系男子1万2798人、理系男子6646人、文系女子1万7512人、理系女子4775人)。

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