ブランド衣料が不振、ユニクロは中国で稼ぐ
家具や日用品も巣ごもりの恩恵を受けた。ニトリHDは売上高と純利益が過去最高を更新した。在宅勤務関連の商品が好調だったといい、ネット通販にも力を入れ、その売り上げは前期から6割も伸びた。22年2月期も増収増益を見込む。
ドラッグストア業界では、「スギ薬局」を展開するスギHDの2021年2月期決算が、売上高は前期比11.2%増の6025億円、純利益は1.6%増の211億円と、いずれも過去最高を更新した。他の大手も軒並み好調で、マスク使用、在宅勤務で化粧品の需要が落ち込み、訪日客の消滅もあったが、マスクや消毒用アルコールといった感染予防関連の商品などが伸び、食品や日用品も売れた。
衣料品はカジュアル品とブランド品で明暗が分かれた。
ユニクロは21年8月期の業績予想を4月に入って上方修正し、売上高に当たる売上収益は前期比10%増の2兆2100億円、営業利益は同71%増の2550億円と、従来予想からそれぞれ100億円積み増した。国内や中国の好調が北米や欧州の落ち込みをカバーしている。
しまむら、西松屋チェーンも、21年2月期の売上高はそれぞれ4.0%増の5426億円、11.5%増の1594億円、純利益もそれぞれ99.3%増の261億円、668.0%増の82億円だった。
これら低価格の日用衣料品各社が巣ごもり需要をつかんで強みを見せたのに対し、ブランド服を百貨店やショッピングモールで展開する各社は軒並み苦戦。オンワードHDは売上高が29.8%減の1743億円、純損益は231億円の赤字に転落。三陽商会も純損益が49億円の赤字(前期は14か月の変則決算で26億円の赤字)と5期連続で赤字を計上し、浮上のきっかけがつかめないままだ。