きょうは50代のTさんです。
「いわゆる大企業に入って30代で家を買って、そこそこのクルマに乗って、今は子供たちも手を離れていきました。一般的に幸せな家庭だと思いますし、そんなに不安があるわけでもありません。
でも、何かやり残した感をこのところ感じるんですよね。何か不安が襲ってくるとか、焦りがあるとか。そんな感情でもなく、なんというのかな、物足りなさというか......。言葉で表しにくいのですが」
「なんとなく」では10年後「がっくり」しているかも
お話を聞いていると、Tさんは30代、40代とこれまでのロールモデルに近い過ごし方をされていたようです。このまま定年まで会社で過ごしたとしても、ある程度の蓄えも退職金もあるので、いきなり生活が路頭に迷うってことはないと思いますし、Tさんのような方は世の中にたくさんいらっしゃると思います。
「人生100年時代」といわれる今、定年後以降のロールモデルは現状ではありません。でも、Tさんが今のまま定年を迎え、「なんとなく」過ごしてしまったとしたら、定年後の10年~20年、お金はあったとしても気力がなくなり「がっくり」している可能性が大です。
これまでTさんが何かを選んだ時「みんなそうだから」「まわりもそうだから」と選択してきたことがあったのではないでしょうか。これまではロールモデルがあったので、それでも問題がなかったのですが、こらからはそうはいきません。そこで日常の「なんとなく」を捨ててみてはどうでしょう。
たとえば日用品の洗剤を、「まわりの評判がいいから○○を使っている」「これまでずっと使っているから、なんとなく今も使っている」といったことで選んではいませんか。
もちろん、その中には実際にいい商品もあると思いますが、「まわりもそうだから」という理由で「なんとなく、こだわっていたこと」はありませんか。
まずは自分が「好き」と思う「お気に入り」を探してみましょう。いろいろ試してみて、今使っているものがいいなと思ったら、それはTさんにとっての「お気に入り」です。