街のチケットショップから「目玉商品」が消える! 新幹線の回数券廃止でJRが狙うコスト削減 

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コロナ禍でコスト削減が急務に......

   インターネット予約が増えて紙の切符の利用が減ると、JRにとってはコスト削減の効果が期待できる。切符売り場の係員の人件費や自動券売機の台数を減らせるだけではなく、メンテナンスに手間がかかる紙の切符にも対応した自動改札機をICカード専用のタイプに変更できる。JR各社がインターネット予約を盛んに宣伝するのは、こうした理由があるためだ。

   もっとも今回の回数券廃止は、コロナ禍で新幹線の利用そのものが激減していることと無関係ではないだろう。

   2020年度の東海道新幹線の利用者数は前年度比67%減と3分の1にまで落ち込んだ。出張者のために企業がまとめて購入することが多い新幹線回数券も、コロナ禍による出張の減少でそもそも需要が減少した。しかも、オンライン会議の爆発的な普及によって、コロナ禍が収束したとしても出張の回数がコロナ前の水準には戻りそうにない。

   コロナ禍で乗客が減少しているJR各社には、社員を一時帰休させるだけではなく、グループ外への数年単位の出向まで踏み込む会社も出てきた。定時の大量輸送を前提にして、それに見合う従業員数を抱え、投資もしてきたJR各社にとって今回のコロナ禍は発足以来の危機だ。新幹線回数券に限らず、JRは変化を迫られている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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