テレワーク実施率、2020年7月から2割で変わらず 「宣言」や「措置」の効力低下

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   シンクタンクの日本生産性本部が、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が大阪府や兵庫県、東京都などに適用された直後の2021年4月12、13日に、テレワークの実施率を調べたところ、19.2%だったことがわかった。「と22日に発表した。

   調査は2020年5月の緊急事態宣言の期間中から開始。今回が5回目で、最初の感染拡大から1年以上を経過したものの、テレワークの実施率にあまり変化はなかった。

   企業・団体で雇用されて働く20歳以上の1100人が調査対象。すべての世代で感染不安が薄れて「コロナ慣れ」が進んでいることを指摘している。

  • 最初の緊急事態宣言時にはテレワークが浸透。駅のホームから人影が消えたことも……
    最初の緊急事態宣言時にはテレワークが浸透。駅のホームから人影が消えたことも……
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テレワーク実施率、最初の緊急事態宣言では31.5%

   調査によると、テレワークの実施率は2020年5月の初めての時で31.5%。その後は、同7月が20.2%、10月に18.9%となり、2回目の緊急事態宣言が発令された2021年1月は22.0%、そして4月調査では19.2%だった。

   20年7月以降、多少の増減はあるが、日本生産性本部では「統計的有意差は確認できない」として「2020年7月調査以降、雇用者に占めるテレワーカーの割合は約2割という状況が続いている」と分析している。

   また、4月の調査時点でまん延防止等重点措置が適用されていた大阪府、兵庫県のテレワーク実施率は18.4%。両府県の20年10月、21年1月調査のテレワーク実施率はそれぞれ18.1%と19.2%で、今回の4月と比べて統計的有意差はなく「重点措置の適用がテレワーク実施率に影響した様子はない」と、結論付けている。

   1月に発令された2度目の緊急事態宣言では、先行された首都圏の1都3県のテレワーク実施率が、宣言の発令前と変わらなかったことが1月調査のレポートで指摘されており、このことと4月調査の結果を合わせてみても、「宣言・措置の企業への影響力が2020年4~5月頃と比較して低下していることを示唆していると思われる」としている。

   調査では、テレワークの大多数が占める在宅勤務をめぐり、出社と比べた場合の効率について質問した。「効率が上がった」と回答したのは59.1%(「上がった」15.5%と「やや上がった」43.6%の合計)で、1月調査の54.5%(「上がった」12.8%と「やや上がった」41.7%の合計)から、4.6ポイント増えている。

   じつは在宅勤務で「効率が上がった」とする割合は、調査を重ねるごとに増加している。しかし、2020年5月調査で33.8%(「上がった」7.2%と「やや上がった」26.6%の合計)だった以降は、20年7月に50.0%(「上がった」9.9%と「やや上がった」40.1%の合計)になってから、今回の調査まで、「有意差はない」状態だ。

   「20年7月以降、テレワークに適した職種・業務従事者の選別は完了しており、現在は、テレワークを行いやすい雇用者が、在宅と出勤のバランスを取りながら、安定した勤務を続けていると推測される」と、分析している。

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