安倍前首相「国産ワクチン作るから大丈夫」
パンデミックが起こってもIOCは責任を取らず、すべての責任を日本政府と東京都に覆いかぶせるということだ。じつは、こういうIOCの姿勢を誰よりも熟知し、IOCにモノを言うことができたのが前組織委会長の森喜朗氏だった。週刊文春が続ける。
「だからこそ、森氏は昨年(2020年)3月に『1年延期』を決めた際、『2年延期にすべきだ』と主張していた。ところが、これを覆したのが安倍晋三首相(当時)だった。自分の首相の任期中に『東京五輪開催』のレガシーを作りたかった。そこで『日本の技術力は落ちていない。ワクチンができる。大丈夫です』という根拠のない理屈を持ち出し、バッハ会長と1年延期で合意してしまった(安倍氏周辺)というわけだ」
週刊文春はこう続ける。
「しかし安倍氏はあれほど熱意を傾けていた五輪に対しても、どこか他人事だ。最近、親しい知人にこう漏らしていたという。『アスリートのためには観客を入れてやりたい。でも、変異株も2000、3000に増えているだろうし、正直、五輪は厳しくなってきたよね』」
安倍晋三前首相も「国産ワクチンができる」とは、よくも言ったものだ。こういう無責任な組織と人々によって強行されようとしている東京五輪、これからどうなるのだろうか......。
(福田和郎)