先だってLIVE配信をしているとフォロワーさんから一冊の本を教えてもらった。さっそく読んでみると、目から鱗というか、自分自身がなんとなく思っていた考えに近いものがあり、すごく腑に落ちた。
昨今の投資ブームを受けて、老後の備えのために資産運用に勤しむ人が増えて、これは良いことだと思うが、老後の備えより大切なことがあるのでここで紹介しておきたい。
老後の備えにお金は必要
誤解のないように先に言っておく。老後の備えは必要だ。現役時代は会社員であれば毎月労働の対価として給与が入ってくるが、定年退職してからはそれがなくなる。年金が十分に入ってくれば何の問題もないが、年金だけで老後に豊かな生活ができるかどうかは疑問が残るところだ。
特に労働人口がますます減る30年後、40年後の日本の将来を考えると決して楽観視できるものではない。
数年前には「老後2000万円問題」で随分とメディアでも取り上げられたので、老後に備えてなにかしておいたほうがいいだろうと思っている人は増えているように感じる。
そういう意味では、つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇を受けながら、お金を増やしていける仕組みはぜひ使いたいところだ。ぼく自身もこれらを使って資産を運用しており、いい制度だと感じているところだ。
老後に備えて毎月2万3000円ずつiDeCoを利用して投資信託を買っている。始めて10か月経過した時点で3万2666円の含み益となっている。これをあと20年ほど続けるとどうなるのか楽しみだ。実践している資産運用に関してはブログやSNSで発信しているのでそちらを見てほしい。
今を生きることを先送りにしてはいけない。
「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」ぼくが出会ったこの本の印象的な部分を紹介したい。
「金をムダにするのを恐れて機会を逃すのはナンセンスだ。金を浪費することより、人生を無駄にしてしまうことのほうが、はるかに大きな問題ではないだろうか。」
「大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことだ。当然、それは人によって違う。活発で冒険的な行動を好む人もいれば、自宅で静かに過ごしたい人もいる。自分や家族友人のために何かをすることに喜びを覚える人もいれば、恵まれない他人へのサポートに生きがいを感じる人もいる。自分を幸せにする方法は一つではない。」
この言葉は、自然と自分自身のこれまでの選択と重ねることで腑に落ちた。20代は公務員として資産を増やすためにひたすら働いた。ところが子供ができて1日の大半を職場で過ごす時間に費やし、子供と過ごす時間を犠牲にしていることに気づいた。このときぼくは、たとえ収入が落ちても子供と関わる時間が確保できる働き方のほうが今は自分にとって価値がある生き方だと思い、公務員を辞めようと思った。
これは今を生きることを優先した結果なんじゃないかな、と本を読みながら思った。
「人生は経験の合計だ」
「人生は経験の合計だ。あなたが誰であるかは、毎日、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。最後に振り返ったとき、その合計された経験の豊かさが、それだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになる。」
書籍ではこの言葉とともに、年代別の貯蓄データを紹介していたが、これもまた驚いた。なんと70代後半になっても、この年代の人々の貯蓄は減り始めないのだ。つまり大勢の人は、苦労して稼いだお金を、自分より長生きさせようとしているのだ。
ぼくが思うに、死ぬ間際に貯蓄が1億円であることを思い出して喜ぶ人は少ないだろう。それよりも、自分がどんな経験をしたかで、〇〇して良かったなと思うのか、あのときなぜ〇〇をしなかったのかと後悔するのではないだろうか。
まさに人生は経験をどれだけしたか、だと思う。お金はあくまでも経験をするための手段にしか過ぎない。ましてや、歳を取れば取るほどお金を使う意欲や体力が減る。だからこそお金を使うのであれば、年老いてからよりも若いときに使うほうが効果的なのだ。
こう考えるとお金を貯めることに囚われすぎると、それ以上に大切なお金を使って得られる経験を積む機会を失っていることにも目を向けたくなる。
現在、ぼくは資産運用に関する情報発信をしている身なので、お金を貯めて増やしていく必要性を強調しがちだが、一生に一度の人生を楽しむためにお金を使うことも大切という点を忘れてはいけないと思わされる書籍だった。
他にもなるほどと思えることが書かれていたので、一度手にとってほしい本だ。(あっきん)