重い固定費、さらなる経営の構造改革が必要
事態打開の一策として近鉄GHDは3月25日、運営する24のホテルのうち「都ホテル岐阜長良川」「都ホテル京都八条」「都ホテル尼崎」「都ホテル博多」「都リゾート志摩ベイサイドテラス」「都リゾート奥志摩アクアフォレスト」「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」「神戸北野ホテル」の8ホテルを米投資ファンド、ブラックストーン・グループに売却すると発表した。
売却後もホテルの運営は近鉄側が行う。ただ、8ホテルは「ウェスティン都ホテル京都」のような基幹的なホテルではない。自前主義からの転換でホテル経営のリスクを下げ、財務体質を改善できる可能性があるとして発表当時は株価が少し上がった。
ホテル売却は株式市場に評価されているが、コロナ禍は続く。大手私鉄各社より重い固定費を抱えているだけに、さらなる経営の構造改革が求められているといえそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)