コロナ禍の就職活動を突破してきた2021年の新入社員に、入社の決め手について聞いた(複数回答)ところ、最も多かった答えは「事業内容に興味があった」(67.7%)だった。
企業向けの教育研修事業や若者の就職支援事業などの株式会社ジェイックが提供する新入社員研修の受講者、427人に聞いた。4月16日の発表。
「成長できる環境があると感じた」が54.8%、「面接してくれた社員が魅力的だった」の51.1%が続いた。また、「社風にフィットしていると感じた」(47.3%)や「自分のことを理解してくれると感じた」(41.2%)という回答も多かった=下のグラフ参照。
企業は入社後の「ギャップ」に注意払って!
新型コロナウイルスの感染拡大の影響でウェブ面接を通じた選考が多かった2021年度の新入社員について、調査したジェイックは、「例年に比べて、企業の情報を収集することが難しかったはず」と分析したうえで、「企業は、入社後ギャップが発生しないよう、例年以上に受け入れ体制を整えることが重要と考えられる」と指摘した。
新入社員に、今後のキャリアでどんなことを実現したいと思っているか、聞いた(複数回答)ところ、「自分の能力を高める、成長する」が80.1%で最も多く、「いまの会社で出世して、年収を上げる」(47.5%)、「社会貢献できる仕事に就く」(42.6%)と続いた。
また、「ワークライフバランスを確立する」(39.6%)や「幸せな結婚をする」(27.4%)、「平凡に日常を過ごす」(18.3%)など、私生活を重視する回答も少なくなかった。
その一方で、「起業する」(6.8%)、「語学力をつけて海外で働く」(6.1%)など、具体的なキャリアプランを描いている人は少なかった。
さらに、理想の上司像について聞く(複数回答)と、「人間的に尊敬できる」(57.1%)、「相談にのってくれる」(52.9%)、「行動力がある」(36.8%)という結果に。最も低い答えが「成果を上げている」(16.4%)だった。
同社は、
「新入社員にとって、上司は仕事ができるかどうか以前に、人格面やコミュニケーションが取りやすいかといったことが重視されることが見てとれる」
としている。
なお、調査は2021年3月31日から4月12日に実施した。