飲酒も多様性の時代 「微アルコール」ビールの登場は日本の飲みニケーションに新風を巻き起こすか?

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0.5%が広げるビール文化の多様性

   アサヒビールの「月1 回以上飲酒を行う有職者への飲み物に関する実態把握調査」(768人が対象)によると、5人に1人があえてノンアルコールを選択。ただ、約8 割が物足りなさを感じていることがわかった=下のグラフ参照

   具体的には「従来のノンアルや低アルでは物足りない」、「ビールは飲みたいがアルコールが苦手」、「酔いたくない」、「健康には気を使うがビールを飲みたい」など、いわゆる「本物のビール」を求める人が多かった。

   アサヒビールのマーケティング本部 新価値創造推進部の小野祐花里(おの・ゆかり)副課長は、

「アルコールを選択してこなかったシーン、たとえば自宅ならばゲームや家事などの合間に。またブレインストーミングや創作活動をしながらといった、今までにない新たなシーンで上質なリラックス感を味わってもらいたい」

と話す。

   そういった飲み方の多様性を後押しする取り組みが「スマートドリンキング宣言」だ。さまざまな人の状況や場面における飲み方の選択肢を拡大し、自由で新しい飲みニケーションを受容できる社会の実現を目指す。

   スマートドリンキングや微アルコールをしっかりと定着させるため、2025 年までにアルコール度数 3.5%以下の商品の販売数量構成割合20%を目指しており、カテゴリーや種類を増やすことによって商品やサービスの開発・環境づくりを推進していきたい考えだ。

   3月30日からは、缶ビールなどに含まれる純アルコール量をグラムで表示する取り組みをはじめた。ホームページで、6月までに主要商品のすべての目安を示す予定だ。

   消費者が、どれくらいのアルコール量を摂取したのかがわかりやすくする取り組みで、アサヒビール以外の飲料メーカー大手も、年内にはウェブサイト上でアルコール量のグラム表示を行う予定。

   ちなみに、キリンビールは2024年までにビール類や酎ハイ類の缶自体にアルコール量のグラム表示を目指すと発表している。

   日本は海外に比べて、アルコール文化の多様性が低いようだ。たとえば、ランチにアルコールをたしなむ場面は少なく、ビジネスシーンでアルコール飲料をスタイリッシュにスマートに飲む機会が育っていない。現在、コロナ禍で夜の会食が難しいが、今後コロナ禍が終息してもランチを中心としたビジネス交流が定着する可能性もある。そのお供に、酔いにくい上質なビールが選択される機会は増えてくるはずだ。

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