地域別では「中部」がトップ
地域別でみると、2020年度は「中部」(30件)がトップとなった。前年度に比べて1.5倍の増加。さらに、「中部」の内訳をみると「長野県」が最も多く10件。スキー宿泊客の減少で業績が悪化するなか、新型コロナウイルスの影響が追い討ちとなった事例もあった。次いで、「近畿」の23件、「関東」の18件が続いた。
負債額別にみると、2020年度は「1億~5億円未満」が49件で最多となり、次いで「1000万~5000万円未満」「5億~10億円未満」「10億~50億円未満」がそれぞれ21件となった。1億~10億円が70件で、全体の56.0%を占めた。
宿泊業者にとっては一縷の望みだった国の観光支援事業「Go To トラベル」も昨年12月28日から全国で停止されている。新型コロナウイルスの感染拡大が続き政府は再開に慎重な姿勢を見せており、1年で最も需要が多いゴールデン・ウイークなどの大型連休や夏休みシーズンまでに再開しない可能性もある。
帝国データバンクは、「今後は新型コロナウイルスの収束がカギを握るが、ワクチンの普及などで需要回復となるか、動向が注目される。今後も全国的に宿泊業の倒産が高水準で推移していくだろう」とみている。