日本の8県の水産物が輸入禁止なのに、それ以上何を?
この日、文大統領は、日本の原発汚染水の海洋放出決定に抗議するため、国際海洋法裁判所に提訴するよう指示を出した。国際海洋法裁判所の判断が示されるまでには数年以上かかる。日本が海洋放出をするのは2年後だから、間に合わない。そこで文大統領は「暫定措置」の提出を命じたのだった。「暫定措置」とは一種の仮処分申請のこと。国際海洋法裁判所の最終判断が出るまで放出を防ごうというわけだ。
さらに、日本産の水産物に対する矢継ぎ早の厳しい規制措置がとられることになった。聯合ニュース(4月13日付)「海洋放出決定 『海洋保護・水産物の安全を徹底管理』」が、こう伝える。
「韓国政府の朴俊泳(パク・ジュニョン)海洋水産部次官は4月13日、日本政府が汚染水を海洋放出する方針を決めたことに関連し、『海洋環境保護と水産物の安全管理を中心に必要な措置を尽くす計画だ』と明らかにした」
じつは、韓国政府は2011年に東京電力福島第一原発事故が発生して以降、放射能汚染の危険があるとして、日本の水産物や農産物の大幅な輸入禁止措置を続けているのだ。具体的には、福島県に近い8県(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉)の水産物のすべてを輸入禁止。そして、さらに14県(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川、長野、埼玉、山梨、静岡、新潟)の27品目の農産物の輸入禁止を続けている。
それ以上何をしようというのか。聯合ニュースはこう続ける。
「日本に寄港した船舶が、日本の海域でバラスト水(船舶のバランスを保つためタンクに入れる海水)を載せて韓国に入港するケースについても、バラスト水に混じった汚染水が海に直接排出されないよう徹底的に管理する。また、8県からの水産物を輸入禁止しているが、他の地域からの水産物についても徹底的に放射能検査を行う。これまでの検査は(1回)30分だったが、1時間40分に増やす」
といった案配だ。