汚染水放出を切り札「反日カード」にした文大統領が墓穴! 韓国政府は「問題なし」と結論【日韓経済戦争】(2)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   また、泥沼の日韓の対立が始まるのか――。

   日本政府は2021年4月13日、東京電力福島第一原子力発電所でたまり続ける汚染水を浄化した処理水の海洋放出を決めた。2年間の準備期間を経て放出が始まるが、日本国内の反対を上回りかねない勢いで激怒しているのが韓国だ。

   早くも激しい「反日運動」が始まったが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は政権浮揚の切り札に処理水問題を利用しているフシがあるという。

   韓国紙で読み解くと――。

  • 処理水の海洋放出を決めた菅義偉首相
    処理水の海洋放出を決めた菅義偉首相
  • 処理水の海洋放出を決めた菅義偉首相

韓国政府は「汚染水海洋放出は問題ない」と結論していた!

   こんななか、衝撃的なニュースが飛び込んで来た。韓国政府のタスクフォース(作業部会)が日本の汚染水の海洋放出は「科学的に問題がない」という結論を出していたというのだ。

   中央日報(4月15日)「『日本の原発水、影響大きくない』韓国政府タスクフォース、昨年報告書出していた」が、こう伝える。

「日本政府が福島原発汚染水の海洋放出を決定したことと関連し、韓国政府は昨年(2020年)『科学的に問題ない』という趣旨の報告書を出していたことが確認された。4月14日、野党『国民の力』の安炳吉(アン・ビョンギル)議員によると、海洋水産部をはじめ政府部署合同タスクフォース(作業部会)は昨年10月、『福島原発汚染水関連現況』という題名の対策報告書を作成した。当時の状況を『日本が福島原子力発電所内に保管中の汚染水処分方案の決定を完了し、発表時期の決定だけが残っている』と評価した報告書で、韓国政府は日本が放出する汚染水が国民と環境に及ぼす影響を分析した」
日本産の水産物は扱っていないという貼り紙を出すスーパー(聯合ニュース4月13日付)
日本産の水産物は扱っていないという貼り紙を出すスーパー(聯合ニュース4月13日付)

   その報告書によると、韓国政府の原子力安全委員会は専門家懇談会を7回開き、「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題がない」との判断を下した。

   また、国際標準と認められる放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の手法を使い、日本海岸近隣地域の放射線影響を評価した結果、放射線数値が「妥当だ」とも評価した。韓国沿岸海域を対象にした放射能濃度調査では、2019年と福島事故以前の平均値がほとんど変わらないと分析した。

   問題のトリチウムに対しても「生体で濃縮・蓄積されにくく、水産物摂取などによる有意味な被ばくの可能性は非常に低い。海洋放出から数年後、韓国内の海域に到達しても、海流により移動して拡散・希釈されて有意味な影響はない」と結論付けたのだった。

   この情報が流れると、韓国政府総理室(編集部注:日本の内閣官房に該当)は打ち消しに追われた。4月15日、「一部の専門家の意見が政府の立場にはなりえない」という資料を報道陣に出した。報告書と政府の立場は違うというわけだ。

   これに対して、「国民の力」のキム・イェリョン報道官は、

「日本の原発水に対して政府タスクフォースは問題ないという趣旨の報告書を出す一方で、青瓦台(大統領府)は国際海洋裁判所に提訴するという。国民はいったい誰の言葉を信じたらよいのか。汚染水の放出を前もって防ぐことができなかった責任は避けられない」

と話したのだった。

(福田和郎)

姉妹サイト