〈Day 2 pm〉Iターン夫婦が発信する富山の魅力
午後は楽しみにしていた、観光スポットを訪れるアクティビティに参加。富山県は、立山連峰の豊な自然に恵まれているイメージがあるが、そんな雰囲気をふもとの近くで味わうことができるのが、この大観峯トレイルだ。
標高325メートルの大観峯展望台から下る約2キロメートルにわたる藪の道を、埜の家のマネージャーの佐藤将貴さんが、2020年に半年間かけて、のこぎり1本で道を切り拓き、マウンテンバイク用の道として再生した。
佐藤さんご自身も、7年前に奥様のみどりさんとともに、Iターンで富山に移住した一人。「今後は、複数のトレイルを整備してつなげたり、電動マウンテンバイクのレンタルを始めたりするなど、里山の魅力を知ってもらえるように取り組んでいきたい」
と語っていた。
奥様の佐藤みどりさんは陶芸家で、その工房を見学した。みどりさんは埼玉県で陶芸家として活動していたが、2014年に立山の地域おこし協力隊として、家族と一緒に移住。「立山Craft」の発案者でもある。
「立山Craft」は、2015年から毎年、全国から多くの作家を招いて、陶芸や木工、金属などの作品を展示販売するクラフトフェア。「立山町は、越中瀬戸焼とよばれる陶芸グループの拠点や、伝統の和紙を作る川原製作所もあり、モノづくりが盛んな地域」と、みどりさん。そんな土地柄もあり、立山Craftは、今では1万5000人が参加する富山最大のクラフトイベントになっている。
この日は、工房で陶芸の焼き釜を見せてもらいながら、富山の住宅事情や冬の過ごし方など、移住生活のことも教えてもらった。
参考リンク:「立山Craft」イベント案内(NPO法人立山クラフト舎)参加者の一人で、2日目午前中のアクティビティで立山博物館を訪れたライオンの藤村さんは、
「富山は、ずうっと川の氾濫と治水に取り組んできた歴史があり、今もまだ続いているということを知った。ライオンの事業は、きれいな水がないと成り立たないが、水は半ば当たり前のようにあるものだと思っていた。しかし、こうした地域の人の治水の取り組みがあって、自分たちの事業が成り立っているということに気づかされた」
と話した。アクティビティも、「地域を知る」機会として貴重な時間なのだ。