「失業者、2万2000人増加」
木内さんは、時短命令に従わない事業者への過料の差などに基づいて、まん延防止措置による経済損失の規模は緊急事態宣言の3分の2と仮定。県民所得などを用いて経済損失を推定した。
それによると、東京都23区と6市での措置適用は、日本全体のGDP(個人消費)を3650億円減少させるという結果に。京都府京都市、沖縄県9市での適用は同350億円減少。先行して適用された大阪府、兵庫県、宮城県の6市では同1550億円で、合わせて5540億円の損失になる。「これは1年間の名目GDPの0.1%に相当、失業者を2万2000人増加させる計算」だ。
2021年1~3月に発令された2回目の緊急事態宣言での経済損失の推定額が6兆3000億円にのぼり、これと比較するとまん延防止措置による損失額は10分1以下。しかし、木内さんは今回のまん延防止措置が3回目の緊急事態宣言の発令につながる可能性を指摘。「その場合には、昨春、今年年初に続いて、日本経済がいわゆる『三番底』に陥る可能性も視野に入ってくる」と警告している。