東芝2兆円買収 CVCキャピタルの提案は「混迷」から脱出するチャンスなのか?

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   東芝が、また揺れている。今度は英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズからの買収提案で、2兆円超の規模といわれる。

   不正会計が発覚して以降、巨額損失を計上して経営が悪化し、事業売却や大型増資などで立て直しを図る一方、大株主である「物言う株主」(CVCとは別の外資系ファンド)との対立が深まっていた。そんな混迷から抜け出す切り札との見方はあるが、安全保障の観点などからハードルは低くない。

  • 東芝、2兆円買収でどうなるのか……
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「物言う株主」に翻弄される東芝

   買収提案は2021年4月7日の日本経済新聞朝刊が1面トップで報じた。筆頭株主である旧村上ファンド系投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメント(シンガポール)などとの対立が続く東芝の株式を、公開買い付け(TOB)により非公開化。経営判断をスピードアップし、経営再建を進めようという狙いとされる。

   東芝は同日、「買収の提案を受けており、慎重に検討する」と発表した。

   東芝の経営問題の経緯をおさらいしておくと、まず創業140年の節目だった2015年に利益水増しなど不正経理が発覚した。医療機器事業などの売却で凌ごうとしたが、2016年末には米原子力事業の巨額損失が表面化。17年3月期末に2期連続で債務超過に陥るのが必至となり、東証上場廃止の危機に直面したことから、6000億円という巨額の第三者割当増資を実施して、なんとか上場を維持した。

   この増資を引き受けたのがエフィッシモなど「物言う株主」を含む、海外投資ファンドで、外国人の株主比率は2020年5月時点で計約63%にのぼった。

   この間、経営は改善に向かっているとはいえ、21年3月期の営業利益予想は1100億円(前期比15.7%減)、売上高営業利益率は3.6%というように、業績はなお低迷し、増資を引き受けたファンドは経営方針などをめぐり不満を募らせていた。

   そして、20年7月の定時株主総会の運営に疑義ありとするエフィッシモの要求で開かれた21年3月18日の臨時株主総会では、定時株主総会が公正に運営されていたかを社外の弁護士3人が調べて報告するというエフィッシモの提案が可決されるという異例の事態になっている。

   参考リンク:「東芝経営陣の正念場 『物言う株主』が揺さぶる『不利益な議決権行使』の実態解明のゆくえ」(2021年3月27日付 J-CASTニュース 会社ウォッチ)

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