きょうは50代半のFさんがいらっしゃっています。コロナ禍が直接な原因ではないようですが、会社が早期退職の募集を始めたそうですね。
「70年定年時代と言われているなか、今から考えても約15年もあります。早期退職制度は私のような中高年がメインターゲットですし、退職金も上乗せされますし、正直惹かれる気持ちもあります。今は70年定年ですが、この先75年、80年という時代もきっと近づいてきますよね。新卒から長年勤めてきた会社からの卒業もそろそろ考えようかなと思い始めています。70歳、80歳になった頃、私たちはどんなふうに働いているのかな、なんて考えたりしています」
定年がなくなる時代がやってくる
平均寿命の伸びも関係していますが、定年が伸びるってことは、その分老後が短くなることです。ネットでも「老後レス時代」と話題になっていますが、「私たちの人生から老後という時間がなくなる」と言われています。
日本の老後は、主に定年退職後を意味していますが、この定年がなくなる時代がやってくるということですね。
昭和の時代の「老後の楽しみ」というキーワード検索では、「余暇」「海外旅行」「孫との時間」など、ゆっくりとした贅沢な時間を過ごすというようなイメージが強かったと思います。
令和の時代の老後の過ごし方には「仕事」が含まれていて、贅沢というイメージは消えているのではないでしょうか。むしろ、年金受給が後ろ倒しになっていくため、「生活のために働かないといけない」。そんな人も増えているので、昭和と令和の老後はまったくイメージが変わってきましたね。
いくつになっても「自分だからできる仕事」で働きたい
「70歳定年」とは、高齢者も現役として働き、日本の社会保障を支える側になっているということです。「70歳超えたのに働きたくないけど、仕方なく働かないといけない」という事態に直面する時代も、もうすぐなのかもしれません。そうならないように、気持ちを「働きたい」に持っていけるかどうかが、これから先は私たちに必要なんだと思います。
Fさんの「生きがい」「やりがい」が見つかる仕事を会社から一歩離れた気持ちで、探してみるのもいいタイミングではないでしょうか。70歳まで約15年。まだまだ時間はあります。60歳までゆっくり定年を迎える時間を過ごすという働き方は、現実的なことではなくなってきていますよね。
少し前に「70歳からのハローワーク」という言葉が流行りましたが、「働かないといけないから、誰でもできる仕事」に就くというよりも、いくつになっても「自分だからできる仕事」に就きたいものですね。
老後に対して悲観的にならないように、今から自分に付加価値をつけておくといいと思います。付加価値をつけておくことで仕事の選択肢を広げることができるでしょう。そして、老後は働く体力・気力が人それぞれです。まずは体力維持に気をつけてみるのもいいでしょう。Fさんはまずはお腹を凹ませましょう(笑)。寿命が伸びる分、楽しく過ごすためにはやはり体力が必要です。
もし同じ仕事をするとしても、気持ちの持ちようで今後の人生に差が出てくると思います。「働かないといけない」と「働きたい」、これだけの気持ちの持ち様だけでまったく変わるのです。
Fさんの場合は、会社以外の人脈作りをしつつ、外に目を向ける視点をぜひ身につけておくのもいいですね。目の前のチャンスを掴むためにも頑張っていきましょう。(ひろ子ママ)