2021年に入って、勢いがとどまることのない仮想通貨(暗号資産)市場。コロナショックで急落していた昨年とは、まったく景色が異なっています。
ビットコインの時価総額は100兆円を突破し、仮想通貨全体の時価総額は200兆円を超えてきています。驚くべき数字です。
今回はそんな現在の仮想通貨にまつわる、さまざまな数字を紹介します。
アップルの時価総額に匹敵!
◆ 200兆円
「200兆円」――。これが仮想通貨市場全体の時価総額で、世界最大の上場企業であるアップルの時価総額と匹敵するほどです。
1年前の仮想通貨市場は20兆円程度でしたから、この1年でいかに大きくなったかがわかります=下グラフ参照。
〈仮想通貨市場の時価総額の推移〉
この内訳を見てみると、ビットコインが約120兆円、イーサリアムが約26兆円となっており、この二つで仮想通貨市場の7割を占めていることになります。3番手のバイナンスコインは6兆円と巨大ですが、上位の二つの仮想通貨とは非常に大きな差があります。
◆ 1440%
ビットコインの1年間の上昇率(2020年4月~2021年3月)です。
コロナショックで大きく下落したビットコインは、1年間で45万円から670万円台まで急上昇しました。
その上昇率は1440%。14倍以上にものぼります。時価総額が最大の仮想通貨であるビットコインが1年間でこれほどまで上昇するとは、いったい誰が想像したでしょうか。
〈ビットコインの過去1年間のチャート〉
なお、同じ期間ではイーサリアムが約15倍、バイナンスコインが約24倍、リップルが3.3倍の上昇率を記録しています。
◆ 104倍
さて、これは何かの仮想通貨の上昇率でしょうか?
いえ、これはある仮想通貨関連銘柄の上昇率となります。マラソン・パテント・グループという、米国に上場するビットコインのマイニングを行う企業の株価は、2018年以降低迷していました。
ところが、ビットコインが大きく上昇した影響から収益が劇的に改善するとの期待から、ビットコインよりも遥かに上昇することとなったのです。
〈マラソン・パテント・グループの過去1年間の株価チャート〉
なお、同社CEO(経営最高責任者)のメリック・オカモト氏のコメント(The Blockの記事 2021年1月25日付)によると、1日あたり1.5~2BTCを獲得。平均獲得コストは7700ドルを下回ると言います。
これは、ビットコインが600万円の時に、同社は85万円程度のコストでビットコインを獲得できることになります。粗利は85%のなんとも羨ましいビジネスとなっています。
マイクロストラテジーが「大人買い」した
◆ 5800億円
2020年8月からビットコインを数百億円規模で「大人買い」したことで知られている企業、マイクロストラテジーがあります。
同社が保有するビットコインはなんと、9万1326BTC。その保有金額は4月5日時点で5800億円にものぼります。
投資金額が約2400億円ですから、含み益は約3400億円もあることになります。間違いなく、ビットコインへの投資で大成功した企業の一つといえます。
なお、同社の株価も10倍以上に上昇しました。
〈マイクロストラテジーの株価推移〉
◆ 9000
2020年から仮想通貨の数は大きく増加しました。2020年5月には※5000程度だった仮想通貨ですが、1年足らずで9000を超えてきました。
※ コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)に登録されている数
これは、DeFi(分散型金融)ブームが勃発し、さまざまなプロジェクトが立ち上がったためです。しかし、スシスワップやキムチスワップのようなコピーの仮想通貨も多くなっています。
参考リンク:「寿司にスパゲッティ、そしてキムチ これすべて仮想通貨なんです!?(ひろぴー)」(J-CASTニュース 会社ウォッチ2020年9月18日付)
これだけ多い仮想通貨ですが、時価総額が100億円以上あるモノは100程度とごく一部です。つまり、大半の仮想通貨は一時のブームで誕生し消え去る可能性があるのです。
このあたりは、ITブーム時にできた企業の多くが今は聞かなくなったり吸収合併されていたりするのと同じですね。
◆ まとめ
この1年で、遥かに遠かったこれまでのビットコインの史上最高値(240万円)を軽々と突破しました。そして、今では大暴落が起きてもそこまで下がるかどうかという水準にまで上昇しています。
2021年4月14日には、米国の大手仮想通貨取引所であるコインベースが上場を予定しています。その時価総額は10兆円になるともいわれており、これはユニクロ(ファーストリテイリング)やNTTドコモと同じ規模に上ります。
米国の大手銀行は、2021年にも1000万円を超えるという予想を出しており、この上昇相場はまだまだ続くのかもしれません。(ひろぴー)