2022年卒の大学生就職企業人気ランキングで、文系総合ランキングの第1位に「東京海上日動火災」が、理系総合ランキングでは「味の素」が首位に立った。就職・転職情報のマイナビは日本経済新聞社と共同で、2022年卒業の学生を対象にした「マイナビ・日経 2022年卒大学生就職企業人気ランキング」を実施した。2021年4月9日の発表。
とくに、文系ランキングで新型コロナウイルス感染拡大の影響がみられた。
選ばれる理由は「やりたい仕事ができそう」
「文系総合ランキング」は、東京海上日動火災が1982年(1983年卒)以来続いているトップを維持。2位は前年16位の第一生命保険、3位に前年8位の味の素が上昇した=下表「文系総合ランキング 上位10位」参照。
新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた旅行・航空業界が軒並みランクを下げる一方、食品や出版、音楽、ゲーム、スーパーマーケットチェーンなど、いわゆる巣ごもり需要の恩恵を受けた業界の上昇が目立った。
前年の11位以下からトップ10入りしたのは第一生命のほか、バンダイが前年22位から7位に、サントリーグループが12位から9位に、講談社が27位から10位になった。また6位のソニーミュージックグループは、前年10位からの上昇だった。
バンダイとソニーミュージックグループを選んだ理由で最も多かったのは、「やりたい仕事ができそう」で、バンダイは25.6%、ソニーミュージックグループは28.9%だった。
「やりたい仕事ができそう」は、文系全体でみても最多の13.4%。また、ポニーキャニオンは31.3%を占めて、上位50社でトップだった。
11~20位で躍進が目立ったのは、13位のファーストリテイリング(前年23位)、16位のバンダイナムコエンターテインメント(前年46位)、17位ポニーキャニオン(前年30位)など。反対に、オリエンタルランドは前年5位から20位に、ソニーグループは同7位から19位に順位を下げた。
前年1位のJTBグループは35位、同2位の全日本空輸(ANA)は64位、同4位の日本航空(JAL)は45位だった。
味の素、5年ぶりに首位返り咲き!
「理系総合ランキング」は、前年2位の味の素が2016年(17年卒)以来5年ぶりに首位に返り咲いた。2位にソニーグループ(前年1位)、3位がサントリーグループ(同4位)となった=下表「理系総合ランキング 上位10位」参照。
食品は上位20社中8社と安定した人気。明治グループが前年9位から5位に、ロッテが同25位から14位に、キューピーが19位から15位に、それぞれ上昇。巣ごもり生活で需要が増えた冷凍食品を反映して、ニチレイグループが82位から16位に、大きく躍進した。
理系学生が企業を選んだ理由(全企業)で最も多かったのは、「安定している」で18.5%だった。
なお、マイナビの「就職企業人気ランキング」は1978年から実施。2016年から日本経済新聞社と共同で発表している。今回の調査(5社連記方式でアンケート)は22年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生を対象に、4万1093人から有効回答を得た。
内訳は文系男子1万2598人、文系女子1万7308人、理系男子6568人、理系女子4619人。調査期間は2020年12月1日~21年3月20日。