【4月! 決めるスタートダッシュ】社会人なら覚えたい「PDCA」サイクル

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うまく回らないのはC(評価)に問題

   川原さんは、PDCAがうまく回らない原因はC(評価)に問題があると見ている。アウトプットに時間がかかりすぎているというのだ。「実績系の数値を収集分析し、最終的にパワーポイントのようなプレゼンテーション資料として整えるのに丸1日、あるいはそれ以上の工数がかかってしまうようなケース」はないだろうか。

「KPI(重要業績指標)といわれるプロセス系の数値になると、アウトプットどころか、もはやインプットすらもおぼつかないといったケースも少なくありません」

   そこから、「役職者が必要とするメッシュを細かく区切った結果系の数値を瞬時に見られるよう可視化」「インプットに課題のあるとされたKPIにおいてインプット時間を1日1~2分に簡素化」することを提案し、サイクルは円滑に回るようになったという。

   「第6章 有名企業に学ぶPDCAの成功事例」が具体的で参考になるだろう。たとえば、ソフトバンクの1日単位の高速PDCAだ。ソフトバンク3原則とは、「(1)思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する(2)1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する(3)目標も結果も、数字で管理する」ことだ。これをPDCAに落とし込み、スピーディーなPDCAを実現し、同社は成長を続けているという。

   かつて業績不振に陥った無印良品の例も紹介している。2001年に38億円の赤字に転落したが、松井忠三氏が社長に就任すると、PDCAそのものというべき構造改革を進め、6年間で利益72億円まで回復した。

   松井氏が行ったのは「仮説を立て評価・改善を行う」ということだった。その一つが「紙の量(資料)を減らす」。会議に出す資料はA41枚というルールを決めた。当時は「紙をたくさん使う(資料をつくり込む)」という文化があり、資料づくりや会議が目的化し、時間や人的資源を無駄にしていたのだ。短い資料で検討もスピーディーに進み、新商品が素早く出るようになり、業績は回復した。

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