4月になり、新しく社会人になったり、新しい部署で働いたりしている人も多いだろう。また新年度を期して「心機一転」、仕事に打ち込もうと気持ちを新たにした人もいるに違いない。
そんな人のために、【4月! 決めるスタートダッシュ】というテーマで、今月は仕事に役立ちそうな本を随時紹介していきたい。
会社に入ったフレッシュマンは、これから「PDCA」という耳慣れない言葉をしばしば聞くだろう。「PDCA」とは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取った業務改善のためのフレームワークだ。
このサイクルをうまく回すことで、業績を上げることができるとされる。しかし、実際には「P(計画)とD(実行)はできるけど、C(評価)とA(改善)がうまくできないからPDCAが回らない」という意見もある。
本書「高速PDCA見るだけノート」は、どうやってこのサイクルをうまく回し、「短時間で劇的な成果を上げるスピード仕事術がゼロから身につく!」と、うたった本である。
「高速PDCA見るだけノート」(川原慎也監修)宝島社
P(計画)で9割が決まる
監修者の川原慎也さんは、みなとみらいコンサルティング代表取締役。米国自動車メーカーに勤めた後、国内大手コンサルティング会社に入社。中堅、大手企業を対象にコンサルティングに従事した。2012年に出版した「これだけ!PDCA」(すばる舎リンケージ)が17万部のヒットになったのをきっかけに、PDCAを導入・推進するコンサルティングを多く手掛ける。
著書・監修書に「12か月成果を出し続けるPDCA手帳術」「マンガでやさしくわかるPDCA」(ともに日本能率協会マネジメントセンター)などがある。
最初に、PDCAがうまく回らない原因を挙げている。
「高速で回っていない」
「現状把握が間違っている」
「目標設定が低すぎる」
「問題を共有出来ていない」
「忙しくて手が回らない」
「長年の習慣を変えられない」
など9つの原因とその対策について説明している。
PDCAは最初のP(計画)で9割が決まる、というのが川原さんの主張だ。計画と目標との違い、勝てるイメージに仕上げる、「お客さまとの約束」から落とし込むなど、計画作りのポイントを挙げている。
次がD(実行)だ。「見える化」するとPDCAは高速化する、何から実行すべきか優先順位を決める、コミュニケーションを円滑にしよう、生産性を最大化するために人材と時間を配分する、などが書かれている。