株価、第一生命HDが15%高 自社株買い発表を好感

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本業の保険業は逆風続き、試される「本気度」

   バイデン大統領による財政出動やワクチン普及によって景気が回復しインフレが加速するとの思惑などから、米国債10年物の利回りはこのところ1.7%程度まで上がっている。米国債を大量に保有する生保は収益改善が期待されるため、第一生命HDの株価も2020年12月末に比べて2021年3月末は22.6%上昇した。

   ただ、米国債金利は足元で一本調子の上昇ではなく一進一退の状況になっており、これがかえって米国株にも好影響を与えており、生保各社に居心地の良い環境を生み出している。

   第一生命HDは自社株買いを発表した3月31日に2021~23年度の中期経営計画も発表し、配当性向をグループ修正利益の30%以上とする方針を打ち出した。これについても市場の評価は高く、SMBC日興証券は6日に「巨額自己株取得とRadical(急進的)な中期計画の執行に期待」とするリポートを配信し、目標株価を2100円から2350円に引き上げた。

   ただ、金融市場の環境が好転し、株主還元策が投資家の関心を呼んだとしても本業の保険業は山口県の元営業職員による約19億円の金銭詐取問題など逆風続き。投資家の期待をつなぎとめるためにも本業の改革の本気度が問われることになりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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