「第三者機関に五輪開催の是非を諮ろう」
こうしたドタバタ劇を見て、激怒したのが国民民主党の玉木雄一郎代表だ。4月8日の記者会見で、
「東京五輪・パラリンピックは、首都圏にまん延防止等重点措置が出される今の感染状況を客観的にみると、本当に開催できるのか。個人的には疑問に思う。第三者機関を設けて慎重に検討すべきだ。開催となれば、1万人近い医療関係者の投入が必要になる。きちんとした戦略を示さないと非常に厳しい。気合と根性で突っ切る状況は過ぎている」
と訴えた。そして、アスリートのワクチン優先接種にも疑問を投げかけた。
「政府が、五輪選手のワクチン優先接種を検討しているとすれば、本当に国民的な理解と納得が得られるか疑問だ。政府が優先接種を開催ありきで無理やり順位を変えている気がする。選手自身が非常に後ろめたさを感じ、悩ませることになる」
と語ったのだった。
ちなみに、共産党の志位和夫委員長もすでに五輪中止を何度も強く主張している。
今回の東京都のまん延防止等重点措置の適用について、ネットでは疑問の声が多く上がった。変異ウイルスの猛威に効果があるのか、というわけだ。
エコノミストで経済評論家の門倉貴史氏は、こう指摘した。
「東京都の適用対象地域は、23区と多摩地域とする方向で調整しているということだが、経済活動の制限という点では東京都全体に緊急事態宣言を出すのとほぼ同じ内容になり、経済損失がほぼ同額になる。それならば、最初から「緊急事態宣言を出したほうが、感染対策の費用対効果は大きくなる。まん延防止等重点措置では、どうしてもアナウンスメント効果が弱いものになってしまう」
こんな批判の声が相次いだ。
「2020年を振り返ってみる。
3月「この1か月が勝負」
4月「緊急事態宣言」
5月「GWも自粛」
7月「この夏は特別な夏」
8月「夏休みも自粛」
9月「この連休がヤマ」
11月「我慢の3連休」
12月「短期集中で自粛」「年末年始特別警報」「真剣勝負の3週間」
2021年も振り返ってみる。
1月「また緊急事態」
2月「延長」
3月「さらに延長」
4月「6月までが正念場」「これまでで最大の危機」
で、こんどは何ですか?
「まん延防止措置と緊急事態宣言は何が違うのでしょうか。まん延防止、まん延防止って、もうとっくに日本中にまん延しているじゃないか。強制力なき宣言は言葉遊びにしか映りません。死活問題から過料覚悟で時間を守らない店もあります、外出自粛も限界となっているなかこの先何を目標に発出するかを明確にしないと、いたずらに時間だけが経過するだけです。五輪を再検討する姿勢を示すなど具体的な方策・対策を講じないと止まりません」