変異ウイルスの猛攻撃に東京・大阪が落城なのに 五輪アスリートにワクチン優先接種ってマジか!(1)

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大阪型と東京型で違う変異ウイルス

「マスク会食」を訴える吉村洋文・大阪府知事(大阪府の公式サイトより)
「マスク会食」を訴える吉村洋文・大阪府知事(大阪府の公式サイトより)

   ところで、関西の変異ウイルスと東京の変異ウイルスでは、タイプが違うらしい。読売新聞(4月8日付)「変異型 子供も感染のおそれ」は違いを、こう説明する。

「大阪府や兵庫県などでは英国型と呼ばれる変異型が多く見つかり、感染拡大を続けている。英国型は『N501Y』という変異があり、感染力が従来型の1.7倍程度とされる。英国では昨秋に確認されてからわずか2、3か月で主流に置き換わった。死亡リスクが約1.6倍になる可能性がある。年代に関係なく感染しやすいため、従来型では少なかった子どもへの感染が懸念される」
「一方、東京や仙台では英国型と異なる新たなタイプの変異型が相次いで報告されている。『E484K』という変異があり、仙台市では2~3月の感染者208人のうち約8割にみられた。ワクチンの効果が下がる変異との指摘もあるが、感染力や重症化リスクなどはわかっていない」

   つまり、関西のタイプは感染力が高いうえ、重症化しやすいなどのリスクがあり、東京や仙台のタイプは、ワクチンが効かないのではないかという恐れがあるというわけだ。どちらにしても従来型より危険であることは間違いない。東京医科大学の濱田篤郎教授(渡航医学)は産経新聞(4月8日付)の取材に対し、こう述べている。

「ウイルスは株同士で陣地の取り合いを繰り返し、感染力の強いものが残っていく。最終的には全国で英国型への置き換わりが起こるだろう。重症化リスクの高い高齢者らのワクチン接種が完了するまで、変異ウイルスの感染拡大のスピードをいかに抑えるかが重要だ」

   その英国型は、「本家」の英国でもワクチンで抑えることが成功した。朝日新聞(4月8日付)「英首相『私もパブでビールを』 感染状況が劇的改善」はワクチン効果のスゴさを、こう伝えている。

「英国は、英国型の変異株が最初に確認され、感染状況が欧州最悪の時期もあった。しかし、4月6日の新規感染者数は2379人と、1月の1日6万人超から急減。一時は1日1300人を超えた死亡者数も20人に減った。ジョンソン首相も『私もパブへ行き、ビールジョッキを口に運ぶ』と喜んだ」
「劇的に状況が改善した背景には、厳しいロックダウンとワクチン接種の順調な増加がある。食品や薬など生活必需品の店以外は休業。学校も休校にした。外出規制を破った違反者には最大6400ポンド(約97万円)の罰金を科した。  一方、ワクチンは4月5日までに人口の47%にあたる約3162万人が1回目を接種。70歳以上では9割が受けた」

   これは、人口接種率32%の米国や14%のEU(欧州連合)を大きく上回る。しかし、日本のワクチン接種率は医療関係者を中心にまだ1%以下だ。4月12日から高齢者の一部が始まるが、国民全体の接種が終わるのはいつか、見通せない状況だ。

(福田和郎)

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