帝国ホテルが50年ぶりの建て替えに向けて打ってきた布石

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三井不動産と周辺の大規模再開発で一致

   それが三井不動産からの出資受け入れだ。2007年に当時の筆頭株主だった国際興業から、三井不動産が帝国ホテル株式の約33%を取得。単独では財務的に厳しいこともあって建て替えに向けたスポンサーを探していた帝国ホテルと、日比谷公園と道路を隔てた一等地にある周辺の大規模再開発を手掛けたい三井不動産の思惑が一致した。帝国ホテルは三井不動産から役員を受け入れるが、経営の自主性を確保した。

   今回発表された帝国ホテルの建て替えも、計10社が協力して「内幸町1丁目街区」の一帯を再開発する計画の一環として位置付けられ、帝国ホテル関連の面積は再開発全体の3割程度に過ぎない。三井不動産はタワー館の一部用地を帝国ホテルから買い取り、建て替え資金を支援する形を取る。

「現在はコロナ禍で経営環境は厳しく、先行きが不透明ではあるものの、日本を代表するホテルとしての社会的使命をこの先も引き続きまっとうしていく」

   建て替え計画を発表した帝国ホテルの文書には、「日本の迎賓館の役割」を担ってきた自負が滲む。それが唯一無二のホテルであり続ける原動力なのかもしれない。(ジャーナリスト 済田経夫)

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