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三重県知事「3つのF、Fast、Fair、Funで仕事を」

香川県の浜田恵造知事(公式サイトより)
香川県の浜田恵造知事(公式サイトより)

   大好きな座右の銘を贈る知事も何人かいた。香川県の浜田恵造知事(69)は「着々寸進、洋々万里」(ちゃくちゃくすんしん・ようようばんり)という言葉を140人の新人職員に披露した。

「私の好きな言葉は、尊敬する郷里の大先輩、大平正芳先生(第68代、1978年12月~1980年6月まで総理大臣)が好んで揮毫(きごう)された『着々寸進、 洋々万里』という言葉です。『一歩一歩少しずつでも着実に歩を進める。一挙の改革ではなく小さな改善を継続していく。そうすると広々とした万里を超えて、大洋に届く』というような意味だと理解しています。みなさんにはぜひ、こういう気持ちで、立ちはだかる困難な課題から目を背けたり、先送りしたりすることなく、新型コロナウイルスや防災など山積する課題に取り組んでいってほしいと思います」

   浜田知事は、1975(昭和50)年に旧大蔵省(現・財務省)に入省した。その時の大蔵大臣が「讃岐の鈍牛」と言われた大平正芳だ。「着々寸進、 洋々万里」はいかにも無理をしないで、すこしずつ前に進む「鈍牛」こと大平正芳の政治手法に合った言葉で、浜田知事は大平正芳の高校の後輩でもあった。この言葉は、浜田知事の後援会報のタイトルにもなっている。

三重県の鈴木英敬知事(公式サイトより)
三重県の鈴木英敬知事(公式サイトより)

   同じように自分が大好きな言葉で189人の新人職員を祝福したのが、三重県の鈴木英敬知事(46)だ。新人職員の大半は、1998(平成10)年生まれだ。鈴木知事が旧通商産業省(現・経済産業省)に入省し、社会人のスタートを切った年だった。それだけに深い感慨を覚えたようだ。こう呼びかけた。

「若さは強力な武器です。初めての環境でも萎縮することなく、県政のために生かしてほしい。元気いっぱいにひるむことなく、自らの良さや長所を存分に発揮してほしい。組織や仕事の進め方について、新鮮な感覚で感じた違和感は、それを放置することなく、自らの手で改革に向けて行動を起こすことを期待しています。アリストテレスは『改革は小事にあらざるも、小事より発生する』(改革は小さいことではないが、改革というのは小さいことから生まれる)と言っています。新規採用職員であっても、みなさんが行う一つひとつのことから改革が生まれていきます」

   そして、具体的な仕事の進め方についてはこうアドバイスした。

「コロナ対策の成功で世界的に著名な台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンさんが、コロナ対策のキーワードとして3つの『F』を述べられています。3つのFとは、Fast(迅速に)、 Fair(公平に)、Fun(楽しく)です。県民のみなさんに迅速に(Fast)、かつ公平 に(Fair)行政サービスを提供しつつ、コロナ禍の先に少しでも楽しい気持ち (Fun)になっていただけるよう事業を展開する。そして、みなさん自身も楽しく仕事をする。そのようなことを意識しながら職務にあたっていただくことを望みます。県民のみなさんのため(for the people)は当然ですが、県民のみなさんとともに(with the people)を意識して、仕事を進めてください」

   そして、最後はこう結んだのだった。

「じつは私は、まだ北海道、千葉、大阪についで全国で4番目に若い知事ですが、若いあなた方に負けないように、引き続き全力で職務にあたっていきます」

(福田和郎)

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