同一学校での感染者は高校で多かった
同一の学校において複数の感染者が確認された事例は1247件。学校別では、高等学校の699件が最も多く、次いで小学校の259件、中学校の255件の順だった=下表4参照。
感染者数の内訳を見ると、小中学校では2人が6割程度となっているのに対して、高等学校では4割程度となっている。3人以上5人未満は小中学校で20%台だが、高等学校では30%台に増加しており、5人以上10人未満、10人以上20人未満、20人以上でも、小中学校の比率はほぼ同じだが、高等学校は一段高い比率となっており、小中学校に比べて高等学校は同一学校内での感染者数が多いことがわかる。
気になるのは、学校関係者の感染者における重症者の状況だが、児童生徒の重傷者数は0人となっており、新型コロナウイルスは子どもが重症化しにくいというのが実証された形となっている。
児童生徒等の期間別の感染者数では、20年6月の臨時休校が明けた後、7月26日までは100人未満だったが、感染拡大第2波に歩調を合わせるように感染者数が増加、7月27日~8月2日には189人、8月3~9日には325人に増加した。
その後、11月2~8日の期間までは300人以下で推移していたものの、感染拡大第3波に突入すると、11月9~15日357人、11月16~22日449人、11月23~29日493人と増加し、12月に入ると11月30日~12月6日に500人を突破して589人、翌12月7~13日には848人に急増し、21年1月4~10日には一気に1000人を超えて1774人にまで急激に増加した。
ピークは1月11~17日の1800人で、その後は急激に減少し、2月22~28日には72人にまで感染者数は減った。
だが、政府の緊急事態宣言が解除され、再び感染者数が増加しており、感染拡大第4波が到来しているとの見方が強まっている。大人の感染拡大とともに子どもたちも感染拡大することが明らかになっており、加えて、感染力が強いと見られる変異ウイルスの感染拡大が懸念されていることから、今後、子どもたちの感染拡大には十分に注意が必要だ。(鷲尾香一)