オープンスペースがオフィスの重要な役割になる
一方、日本のオフィス環境について、日本スチールケースのセールスディレクター、塩田 雅俊氏は、
「コロナ禍で、経営者と従業員の双方にとって、働くことの意味、オフィスの役割を見直す機会となりました。また、ITテクノロジーを駆使したことで、働き方改革やABW(Activity Based Working=「時間」と「場所」を自由に選べる働き方のこと)のコンセプトなどが加速したことがあります」
と話す。
グローバル調査の結果に、
「日本ではマスクをする習慣がルール化され、また文化として存在することもあり、『安全対策の順守』が他国に比べて浸透しています。スチールケースのグローバル調査によると、従業員のオフィスに対するニーズとして、オフィスは『人との交流により、コミュニティ意識、帰属意識を感じる場』であると同時に、『個人とチームの生産性をサポートする場』であることが求められていることがわかりました」
こうした結果から、
「企業はオフィスワークとリモートワーク、それぞれのメリット、デメリットを認識し始めています。個人作業とチーム作業を効率的に達成させるための最適な『出社率』に対する企業の模索が始まっており、今後はオフィス規模の『最適化』が加速するでしょう。
オフィスの大きな役割は、人との交流により、コミュニティ意識、帰属意識を感じる場になってくると考えています。これらの意識の活性化のため、かつてオフィススペースでは脇役だったラウンジやカフェカウンターのようなオープンスペースがオフィスの重要な役割を果たすようになるのではないでしょうか」
とみている。
なお調査レポートは、アメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、インド、中国、オーストラリアの10か国、3万2000人超を対象に実施。2020年4月から9月に実施した8つの主要調査をまとめた。