2021年度の新入社員は「テレワーク下のストレスに対処できる可能性が高い」

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   過去に例がない「コロナ禍での就活」を経験した2021年卒の新入社員は、入社後に増えるであろうテレワークの環境下におけるストレスに対処できる可能性が高い傾向を示していることが、企業向けにメンタルヘルスケア対策支援などの事業を手掛ける株式会社アドバンテッジリスクマネジメントの調査でわかった。

   2020年3月~8月末に、同社の適性検査を「新卒」区分で受検したサンプルを無作為抽出。前年まで4年間(17~20年卒)の結果、傾向や各検査項目のスコアと比べて「2021年度 新入社員」の特徴を考察した。3月29日の発表。

  • 2021年度の新入社員は「コロナ禍での就活」経験。ストレス耐性が強いかも……(写真はイメージ)
    2021年度の新入社員は「コロナ禍での就活」経験。ストレス耐性が強いかも……(写真はイメージ)
  • 2021年度の新入社員は「コロナ禍での就活」経験。ストレス耐性が強いかも……(写真はイメージ)

「コミュニケーション力」はこの5年間で最高

   検査では、コンピテンシーについて8項目を測定。そのうちの「他人の話に耳を傾け、自己表現が適切にできるという認識」の度合いを示す「コミュニケーション力」で2021年卒の新入社員は、この5年間で最も高いスコア(48.9)を記録。また、スコアが高いほど「強い精神力を持ち失敗や挫折からの立ち直りが早い傾向」を示す「困難克服力」をみると、17年卒(47.7)には及ばなかったものの、19年卒(44.3)や20年卒(44.5)を上回る結果(45.9)を示した。

   ストレス耐性(ストレス緩和力)は、「自分自身の能力に対する自信や、他者からのサポートをどの程度得られていると感じているかなど、ストレスが生じても和らげる力」を示すが、21年卒は、「周囲の人からサポートを受けられていると感じている」ことを示す項目で、この5年間で最も高いスコア(49.3)だった。

   「自分の能力や技量への自信」を示す項目でもハイスコアをマークしており、「前向きな気持ちで物事に取り組む傾向」を示した。

   21年卒は、EQ能力ではこの5年間の中でとくに「感情の利用」で最高スコア(49.5)をマーク。「効果的な問題解決や、創造性を発揮するために、どのような感情を作り出せば良いのかを知り、実際にその感情を作り出す能力を備えている傾向」があるという。

   2021年卒の採用に際して実施した適性検査で、「感情の利用」やコンピテンシー各項目、ストレス緩和力のスコア上昇が見られたことについて、アドバンテッジリスクマネジメントは「過去の知見が通用しないコロナ禍での就職活動などで、必然的に気持ちの切り替えが必要となる場面が増えたこと、およびこの難局を乗り越えたという成功体験に起因すると考えられる」と分析。

   そのことから、「21年度新入社員は過去5年間の傾向と比較すると、入社後のテレワーク環境下におけるストレスに対しても、この成功体験に基づいて順応しやすい傾向がある」としている。

   同社によると、これまで企業などで行ってきたストレスチェックでは「コロナ禍における若手社員(25歳以下)」は、上司や同僚との関係が築きにくくなっており、高ストレスの割合が高まっている。社内の環境に慣れる前に感染拡大防止でテレワークが増えるなどコミュニケーション機会が減少し、関係構築の困難が増したためとみている。

   「21年度の新入社員が持つ『テレワーク下のストレスにもうまく対処できる可能性』を最大限に発揮させるためは、上司や同僚が積極的に関わるなど、孤独感を感じさせないようなサポートが必要」とアドバイスしている。

   なお、同社の適性検査適性検査は、従来の検査で測定する知的能力やコンピテンシー(優秀な成果を導く行動特性)に加えて、ストレス耐性(ストレス緩和力)やEQ能力(心の知能指数/感情指数)も測定。10年以上の提供実績があり、年間受検数は6万件にのぼるという。

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