マクドナドのDX化を図る6つのテーマ
日本でも大人気のマクドナルドは、2017年に6つのテーマを掲げ、これに基づいてDX化を図るVelocity Growth Planと呼ばれる計画を進めています。
その6つのテーマは
Retain(既存顧客の保持)
Regain(失った顧客の再獲得)
Convert(顧客のリピート顧客化)
Digital(顧客体験のデジタル化)
Delivery(マクドナルドでの体験をより多くの顧客に)
Experience of the Future in the U.S. (テクノロジーの力で未来の体験を顧客に)
です。
たとえば、2019年にマクドナルドは過去20年で最大となる推定300億円でAIのスタートアップを買収し、顧客の嗜好や時間・天候などに応じて、AIがパーソナライズしてメニューを提供するというドライブスルーを、アメリカとオーストラリアのほぼすべてのドライブスルーの店舗に設置しました。
顧客の利便性を向上させることはもちろんのこと、ドライブスルーを訪れる顧客のデータを分析することで、データを資産化し活用しています。
さらに、さまざまなアクセントなどを認識し、対話ベースで自動注文できる技術を持つ別の音声認識のスタートアップを買収し、将来的にはモバイルやキャッシャーキオスクでの注文に活用しようとしています。
エストニアは、世界一のIT国家と言っても過言ではないほど、行政サービスにおける電子化が進んでいます。有名なのが「e-Estonia(イーエストニア)」と呼ばれる電子政府化の取り組みです。
エストニアでは国民全員にIDが割り当てられ、ほぼすべての行政サービスの申し込みや手続きを24時間365日利用することが可能です。たとえば、住民票の変更はパソコンやスマートフォンからアクセスして済ませることはもちろん、面倒な確定申告についても、1年間の全取引が電子化されているので、数分から15分程度で終わります。
さらに投票もオンラインで、世界中のどこからでも簡単にできてしまい、内閣の議事録も公開されています。交通違反をしても、その場で罰金をスマホで支払うといった具合で、レストランもお店も電子化されているので現金の要らない社会が実現されています。
エストニアは、異なる省庁間でもシームレスに連携しているため、医療機関、教育機関、警察や各官庁それぞれにある情報を一つのIDで管理されることで横断的なデータの共有や活用を実現することで、国家が積極的にDXを進めています。