早くも長野で「無観客」に追い込まれた聖火リレー
福島、栃木、群馬の3県で「密」を生み出した聖火リレーは、早くも4県目の長野でピンチに陥った。一部で無観客になるというのだ。スポーツニッポン(3月31日付)「聖火リレーにコロナの向かい風 警戒レベル引き上げ... 4県目・長野で早くも一部無観客に」が、こう伝える。
「五輪組織委は3月30日、長野県内の新型コロナの感染状況を踏まえ、4月1、2日に予定している1日の善光寺仲見世通り(長野市)の走行ルートと、同日ゴールの長野市役所広場での到着イベントを無観客とすると発表した。組織委によると、これまでの福島、栃木、群馬の3県ではかなりの人が集まった状況でも続行。感染拡大への懸念の声が広がっていた。スタートから4県目で早くも大幅な変更を余儀なくされる形になった」
そもそも聖火リレーと感染拡大防止の両立は、最初から無理だったと指摘するのは朝日新聞(3月30日付)の「聖火リレー『密』難題 密集回避との両立困難」だ。記事の中で、リスク管理の専門家である吉川肇子・慶應義塾大学教授(組織心理学)が、こうコメントしている。
「組織委は『密集』を『肩が触れ合う程度』などと定義しているが、これは『2メートル以上離れる』など目安にしてきた従来の定義と大きく異なり、本来『密』という言葉を使うべきではない。別の定義であることを明示すべきだ。そもそも観客に見てもらうためのイベントで、密集回避との両立を図るのは難しい」