外国人と話すときも「母国語」を使って! 英語禁止の世界を記者が体験してみた

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言語フリー・スペースを体験!

   記者も、五石さんやロゼッタグループの外国人社員と「言語フリー・スペース」を体験してみた。

   Zoomのように指定されたURLをクリックすると、会話のルームに入ることができる。ここでは自分や相手が話した言葉が設定した言語に変換し、字幕として表示される。

   多少のタイムラグはあるものの、ほぼ同時に翻訳されるため、外国人社員との会話も臆することなくできてしまう。会話の内容に集中できるので、英語が苦手な社員はより仕事がしやすくなったように思える。

   ただし、滑舌には要注意。音声がうまく認識されないと、まったく異なる翻訳になるためだ。

発音にはコツがいる
発音にはコツがいる

   ロゼッタグループではリモートワークを導入しているため、基本的に会議などは言語フリー・スペースが使われる。

   自らも英語力に自信がないという広報担当の工藤千明(くどう・ちあき)さんは、

「自分の話しやすい言語で話すことで、コミュニケーションの齟齬が少なくなったかと思います」

と話している。

   ロゼッタグループでは言語フリー・スペースを使用することでコミュニケーションが円滑になったようだが、デメリットはないのか。五石さんに聞いてみると、

「ありませんね。強いて言うなら、これまで外国語を上手に話していた人たちが悲しい思いをしているかもしれません。語学学習にものすごい時間をかけてきた人たちなので。それが全部ムダになった瞬間ですからね」

と推察する。

   課題としては、音声が認識されない場合があることと、通信環境によって翻訳速度に個人差があること。コツとしてはアナウンサーのように、はっきり発音することだという。

   楽天やユニクロなどの大手企業では英語を社内公用語としているのに対して、ロゼッタの「英語禁止令」は真逆の方針ともいえるが、五石さんに聞いてみると、

「楽天やユニクロがやってることは、革新的で勇気があることだと思ってますね。グローバルな企業にとって、言語が話せないというのは非常に大きな問題です。ただ、それは言語フリー・スペースのようなテクノロジーがなければの話ですね」

と話している。

   五石さんによれば、言語フリー・スペースは5月以降に一般リリースを考えているそうだ。

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