同僚とは「オンライン」ですれ違いも
最も親しい同僚との「気持ちのうえでの距離」では、「すぐそばにいる(1メートルくらい)」が36%で最も多く、次いで「姿は見えているが、少し離れている(5メートルくらい)」の30.6%。「一心同体と感じる(0メートル)」(10.1%)を合わせ、「5メートル以内」でまとめると76.7%。社長や上司に比べて、大変近くに感じていることがわかる。
テレワークの日数別でみると、週2日程度の人では、「すぐそばにいる」は45.9%と多いものの、ほぼ毎日の人では27.2%。最も親しい同僚であっても、やはりテレワークが多いほど、「気持ちのうえでの距離」が遠くなっている。
同僚との「気持ちの上での距離」が「遠くなった」と感じている人らは、
「職場で会う機会も減ったし、外食、飲み会もしないので」
「ちょっとした雑談や会話のコミュニケーションがなくなった」
など、気軽な交流の機会が減ったことのほか、「オンラインの発言で、仲間の本音や微妙な心の内を知ることになったが、理解に苦しんだ。感覚の違いで、同僚だと思いたくなくなった」などの感情のすれ違いが生まれた事情についての書き込みもあった。
調査では、テレワークの頻度が社長や上司、同僚らとの心理的距離に影響を与えていることが示された。JTBコミュニケーションデザインは、「仕事へのモチベーションと関連が深い心理的距離をどう適切に保つかは組織経営にとって重要な課題と言える」としている。
今後のコロナ禍の成り行きによっては、企業にとってはテレワークの導入、拡大の判断を迫られる局面があるが、導入・拡大にあたっては「ハード面の環境整備だけでなく心理的距離を縮めるソフト面の環境整備が必須」という。
なお調査は、2021年1月29日と30日に、全国の従業員500人以上の企業にフルタイムで勤務する20~69歳の男女を対象に実施。有効回答者数は1030人。