世界各国で接種が進む新型コロナウイルスのワクチン。なかでも急速に接種を加速している米国では、バイデン大統領が「独立記念日の7月4日には、ウイルスから独立する」と、「コロナからの独立」を早々と宣言して世間を騒がせました。
そんななか、バイデン大統領に強力な応援団が出現! 米ドーナツチェーンのクリスピークリームが、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人に対し、ドーナツを無料で提供すると発表したのです!
記録カードを提示するだけで、年末までずっと無料でドーナツをもらえるというこの企画。あまりの寛大さに世界中で驚きの声が上がっています!
ワクチン証明書で1日1個 ドーナツをゲット!
新型コロナウイルスの第3波が急拡大している欧州で、各国がロックダウンに踏み切るなか、バイデン大統領が「ウイルス独立宣言」をした米国では、ワクチンの接種がものすごいスピードで加速しています。
米国ではファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソンの3社が開発したワクチンの緊急使用が許可されていて、これまでに全人口の4分の1近くが少なくとも1回の接種を受けているというから驚きです。
さらに、ワクチン接種ムードを盛り上げるように、米ドーナツチェーンのクリスピークリームが、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人に対して無料のドーナツを提供すると発表して驚きが広がっています。
Krispy Kreme is offering free donuts to those who get vaccinated
(クリスピークリームは、ワクチンを接種した人に無料でドーナッツを提供する)
同社のホームページによると、少なくとも1回のワクチン接種を受けたことが確認できる記録カードを提示するだけで、1日1個のグレーズド・ドーナツがもらえるとのこと。○○○円以上の購入者に限るといった限定条件もなく、年末まで継続するそうですから、年末まで毎日1個、ドーナツをタダで食べられるという超寛大なサービスです。
クリスピードーナツ社は、米国民が新型コロナウイルスのワクチン接種を進めるなかで、「finding ways to be sweet」(人々にとって親切でありたい)と、その狙いを表明していますが、「年内ずっとドーナツ無料」のキャンペーンは、政府のどんなキャンペーンよりも効果がありそうです。
ふだんは辛口の米国メディアも、「revolve around the COVID-19 vaccination effort in the U.S.」(米国のワクチン接種の試みを加速する)と、評価していました。
「コロナよりも怖い」あの病気が心配!?
報道を見る限り、クリスピークリームの「ワクチン証明書でドーナツ無料」キャンペーンは、好意的に受け止められているようで、同社の公式ツイッターアカウントには、世界中から大きな反響が寄せられています。
なかでも一番多かったのが、「我が国でもやってくれ!」という、英国など他国消費者からのリクエスト。よほどリクエストが多かったのでしょうか、同社は連日、次のようにツイッターでつぶやき続けています!
Us shop Only
(米国の店舗だけです)
Available in US shops only
(米国の店舗だけで有効です)
さらに「米国らしい」と話題になっているのが、
「ドーナツを食べ過ぎて肥満になったらどうするんだ!」
「糖尿病のほうがコロナより深刻だぞ!」
といった、ドーナツ無料サービスが肥満や糖尿病といった「米国の国民病」を引き起こすことを懸念する「反対派」の反応です。
これに対して、
「たったドーナツ1個なんですけど......」
「別に毎日食べなくてもいいだろう!」
「ドーナツ1個で糖尿病になった人がいるなら教えてくれよ!」
といった声がSNS上にあふれるなど、「ドーナツ論争」は意外な盛り上がりを見せています。
なかには、「すでにコロナに罹った人はドーナツをもらえないのでしょうか」といった質問も。確かに、米国ではすでに3000万人近くが新型コロナウイルスに感染していると報じられていますから、クリスピークリーム社の対応に興味がわきます。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「only」を使った表現です。組み合わせる単語によって表現の幅がかなり広がりますから、覚えておくと便利です。
Women Only
(女性だけOKです)
That is only for women
(これは女性だけが対象です)
Available only my friends
(私の友達だけが使えます)
Domestic service only
(国内のサービスだけです)
それにしてもうらやましいのは、米国では「ドーナツ無料」キャンペーンが行えるほどにワクチン接種が広がっていることです。わが国ではドーナツどころか、ワクチン接種がいつになるのかまったく先が見えません。「ドーナツキャンペーン」に続く企業もきっと現れるでしょうから、バイデン政権が「ワクチン戦争」に圧勝するのは間違いなさそうです。(井津川倫子)