「テクノキング」になったテスラCEOの次なる関心?

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   企業の役員の肩書きは、比較的自由だ。銀行のトップは社長ではなく「頭取」が主流であり、 スタートアップ企業の「代表取締役医師」が自身の私生活を巡るスキャンダルの責任を取って取締役に降格した、というニュースも最近報じられた。

   ここからは米国の話になるが、電気自動車(EV)で世界最大手のテスラが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に「テクノキング・オブ・テスラ」という肩書きを新たに加えたと、当局に届け出たことが話題になっている。

  • イーロン・マスクCEO、新たに「テクノキング」の肩書(テスラの公式サイトより)
    イーロン・マスクCEO、新たに「テクノキング」の肩書(テスラの公式サイトより)
  • イーロン・マスクCEO、新たに「テクノキング」の肩書(テスラの公式サイトより)

「シリコンバレーの異端児」マスク氏ならでは

   「テクノキング・オブ・テスラ」――。シンセサイザーの奏でる電子音が聞こえてきそうだが、米国では「テクノロジーの王様」との意味で受け止められているという。前例のない肩書きではあるが、型破りで「シリコンバレーの異端児」として知られるマスク氏ならでは発想だと、米国で持て囃されている。

   日本でも時折見かけるようになったテスラのEV。2020年の販売台数は世界で50万台程度に過ぎず、950万台を超えるトヨタ自動車グループなどの既存メーカーに遠く及ばない。それでも株式市場の期待も反映している時価総額では、2020年に世界の自動車業界で首位に立った。

   世界の潮流が脱炭素に向かう中で、テスラの技術力が評価されているからだ。その開発や生産の陣頭指揮を執っているのがマスク氏だ。

   創業したテスラをここまで成長させただけに限らず、同じく創業した宇宙企業の「スペースX」はロケットの打ち上げに次々成功している。また、マスク氏の設立した財団が大気や海水の中から二酸化炭素(CO2)を除去する技術の競技会を開くと発表。賞金はマスク氏が拠出する。

   かつてSNSでテスラ株式の非公開化に言及して、米当局から警告を受けるような自由奔放さはあるものの、テスラに対する市場の評価はマスク氏の独創性と高い技術力に対する期待を反映していると言えよう。

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