聖火ランナーにも感染防止ルール無視が続出
観客どころか、運営側、さらに聖火ランナーの中にも感染防止ルールを守らない者もいたという、お粗末な実態を暴いたのは東京新聞(3月26日付)だ。「聖火リレー沿道で『密』あちこちに 会食禁止守らぬランナーも」という見出しで、こう報じる。
「いわき市の沿道では観客が二重三重に人垣を作り、肩が触れあうほど接近した。事前の会食禁止を守らなかったランナーがいたことも判明。初日から実効性が問われる事態となった。いわき市の自営業鈴木三郎さん(84)は『やっぱり人は出てきちゃう。福島でも感染者が増えているのに心配だ』と話した。ランナーを先導するスポンサー宣伝車の上では、マスクを着けずに叫ぶDJ(ディスクジョッキー)も。鈴木さんは『見る側に対策を求めているのに、運営側ができていない』と呆れた」
また、聖火ランナーにもルールを守らない人が続出するありさまだ。東京新聞がこう続ける。
「聖火ランナーには、走行前2週間の会食禁止が求められている。ランナーを務めた男性は取材に『勤務先の少人数の送別会に参加した』と明かした。県外から参加するランナーには、走行前72時間(3日)以内にPCR検査を受けることが推奨されているが、複数のランナーが未検査だと証言した。検査費用は組織委が負担するが、ランナーらは『受ける時間がない』『万が一、陽性になると勤務先に迷惑をかけるから』と説明した」
というのだ。
こんな体たらくで、今後120日あまりもランナー集団が全国を走り回って大丈夫なのだろうか。
(福田和郎)