「自分が作った商品を世に出したいと思っていた」
松井さんは三重県松阪市出身。就職とともに早野研工のある大垣市に引っ越してきた。
早野研工に入社した理由を、松井さんに聞くと、
「早野研工が作る金属製の麻雀牌や将棋駒を見て、おもしろそうな会社だと思いました。もともとモノづくりが好きだったのと、インターンシップの際に社長から『BtoC製品を強化したい』という話を聞いて、ここに入るきっかけになりました」
と話す。
広報担当者によれば、早野研工では2008年のリーマンショックを機に「このまま仕事を待っているだけの町工場じゃだめだ」との考えが芽生えた。その技術力をPRするために生まれたのが24金メッキ加工の麻雀牌だ。
金属製の麻雀牌は展示会に出品。来場者からの「購入したい」という声に後押しされ、2016年に自社のオンラインショップで販売を開始した。早野研工のBtoC製品の先駆けとなり、のちに金属製の将棋駒も発売した。
会社に興味を持つきっかけとなったBtoC製品を、手掛けることになった松井さん。新商品の開発を引き受けたときの気持ちを次のように話す。
「自分が作った商品を世に出したいという想いがもともとあり、『これで叶えられるぞ』と思いました。不安よりうれしい気持ちが大きかったですね」