コロナ禍の中での転職理由、緊急事態宣言の前後でこんなに変わった!

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   新型コロナウイルスの感染拡大が、転職の動機づけにも変化を及ぼしていることがわかった。

   転職サービス「doda(デューダ)」を運営するパーソルキャリア株式会社が、2020年4月の緊急事態宣言の前と後に分け、それぞれ時期の転職経験者を対象に転職理由を調査したところ、宣言の解除後では個人の将来を見据えた目標を掲げるケースが多くなった。2021年3月22日の発表。

  • コロナで転職理由は将来見据える傾向にシフト
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緊急事態宣言前は「社内の雰囲気が悪い」が1位

   調査によると、緊急事態宣言前の転職理由は、1位の「社内の雰囲気が悪い」(12.5%)に加え、4位タイの「人間関係が悪い/うまくいかない」(5.9%)、9位「尊敬できる人がいない」(3.8%)といった、人間関係にまつわるものがトップ10に並んだ=下表参照

   4位タイの「ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど)」(5.9%)や、7位タイの「個人の成果で評価されない」(4.5%)や「雇用形態を変えたい」(4.5%)などを合わせて、職場の働く環境に関する理由が大半といえる。

   一方、宣言の解除後となると、1位「給与が低い・昇給が見込めない」(9.7%)、2位「スキルアップしたい」(8.0%)や、7位の「他にやりたい仕事がある」(5.2%)などが、宣言前より順位を上げた。個人的な目標を掲げるなど、将来を見据える傾向にシフトしている。

   パーソルキャリアは、

「背景にはコロナ禍で会社が業績不振に陥り、給与が下がった、あるいは『このままこの会社にいてよいのか』といった不安が生じたことが考えられる」

と分析している。

リモート拡大で人間関係の悩み減少

   コロナ禍の出口が見えないなか、将来を見据えた働き方を追求する機運が強まり、7位「他にやりたい仕事がある」(5.2%)、9位タイの「働く場所を変えたい(勤務先が遠すぎる・近すぎる/U・Iターンしたい)」(4.2%)や「不規則な勤務をやめたい/土日祝休にしたい」(4.2%)という転職理由も、宣言前より高まった。

   3位タイに「業界・会社の先行きが不安」(7.3%)や「倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了)」(7.3%)が並んだことも、コロナ禍の影響を反映したものとみられる。

   宣言前に1位だった「社内の雰囲気が悪い」は、トップ10圏外(12位、3.1%)に低下。4位だった「人間関係が悪い/うまくいかない」(5.9%)は6位に、9位だった「尊敬できる人がいない」は20位(1.4%)になるなど、人間関係や働く環境にまつわる理由は、辞めるポイントではなくなったよう。「人間関係に関する理由の順位が下がった要因の一つは、リモートワークの拡大や、会議や飲み会が削減され、対面で生じる人間関係の悩みが減少したことが考えられる」とパーソルキャリアはみている。

   なお調査は2020年の緊急事態宣言が発令された4~5月から、1~3月を「宣言前」、4~8月を「宣言後」と定義。20年8月に、1~8月に転職した正社員男女を対象に、転職理由を一つ選択してもらう形式で調べた。有効回答数は578人。

   一方、東京商工リサーチが3月19日に発表した同日16時時点での新型コロナ関連の経営破たんの累計は、全国で1153件。月別では20年9月以降、11月まで3か月連続で100件を超え、12月、1月は100件を下回ったが90件台と高い水準で推移。2月は月別最多の122件に達し、3月も19日時点で早くも95件が判明している。

   コロナ禍での求人も激減。21年1月の全国の有効求人倍率は1.1倍で20年9月(1.03倍)以降は微増傾向にあるが、20年1月の1.49倍には遠く及ばない。倒産により多くの人が職を失い新たな職場を求めて転職市場に流入するが、求人件数はそれほど増えてはおらず、転職市場は厳しさを増す可能性もある。

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