米国で1兆9000億円の大規模の追加経済対策が成立したことで、経済回復への期待が高まり、米国株が上昇。その流れを受けて日経平均株価も一時3万円を回復した。
そうしたなか、日本銀行の金融政策決定会合ではETF(上場投資信託)の原則年6兆円の買い入れ枠を撤廃するなどの方針を明らかにした。米国の長期金利の動向とともに、今後の動向が注目されている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 3万円を境に神経質な展開に
日経平均株価予想レンジ:2万9000円~3万500円
2021年3月19日(金)終値 2万9792円05銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、神経質な展開か。
前週の日経平均株価は、注目されていた日米の金融政策決定会合を無難に通過したことで、一時3万円台を回復するなど、おおむね堅調な動きだった。
今週の日経平均株価は、神経質な展開のなか、もみ合いとなりそうだ。焦点となるのは、米国の長期金利の動向。17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、2023年末まで金融緩和政策を継続する方針を明らかにしたが、それがインフレ期待を高める結果となり、米長期金利が上昇する局面が見られた。
一方、日銀は金政策決定会合でETF(上場投資信託)の買い入れについて、原則年6兆円の買い入れ枠を撤廃し、買い入れ対象についても日経平均連動型を外し、TOPIX(東証株価指数)連動型のみとした。米国の長期金利の今後の動向、日銀のETF買い入れが今後、どのような形で実施されるのかが注目されている。
東京外国為替市場 米長期金利の動向に注意!
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円00銭~110円00銭
2021年3月19日(金)終値 108円87銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが堅調な動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、もみ合いだった。ドルは一時1ドル=109円台半ばまで上昇したが、米国の経済指標が市場の予想を下回ったことで、ドル売り・円買いが優勢となり値を上げた。
しかし、FOMCで2023年末まで金融緩和政策を継続する方針が明らかになったことで、インフレ期待が高まり、米国の長期金利の上昇受け、再び、ドル買いが優勢となった。
今週のドル円相場は、ドルが堅調な動きとなりそうだ。最大に焦点は米国の長期金利の動向。FRBのパウエル議長が明確な長期金利抑制策の姿勢を打ち出さなかったことで、長期金利は再び上昇基調を強めている。
米国の長期金利が上昇するようだと、日米金利差でドル買い優勢の動きが続く可能性があり、注意が必要だ。
経済指標は、国内では22日に1月の景気動向指数、24日に日本銀行の金融政策決定会合の議事要旨(1月20~21日開催分)などが予定されている。
海外では、22日に米国の2月の中古住宅販売、23日に米国の2月新築住宅販売、米国の10~12月経常収支、24日に米国の2月の耐久財受注、25日に米国の10~12月期GDP(国内総生産)確報値、26日に米国の2月の個人所得と個人消費支出などが予定されている。
(鷲尾香一)