「なし崩し的に老朽原発の延命が進んでいます」
細川護熙氏は、
「燃料デブリや汚染水解消のメドがまったく立たない中で、なし崩し的に老朽原発の延命が進んでいます」
として、
「記憶は薄れやすいものですが、我々は原発という不条理と闘わなければという思いを、いま改めて強く持たなければと思います」
とコメントした。
村山富市氏は、
「日本は戦争被爆国として、核兵器と放射能被曝の恐ろしさを最もよく知る国であるはずである。私は日本政府に今一度、福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原発ゼロと自然エネルギー推進に向けて大きく舵を切ることを強く要請する」
などと訴えた。
5人の元首相がそろって脱原発、自然エネルギー推進の考えで一致したのは、自民党出身の首相だった小泉氏が率先して自らの過ちを認め、政策の転換を訴えたからに他ならない。
小泉氏は「過ちを改むるに憚(はばか)ることなかれ。原発ゼロでも脱炭素社会の実現は可能」とのメッセージを発表。「自然エネルギー推進は世界の趨勢である。日本は太陽光や風力などに恵まれている国であり、エネルギー政策を自然エネルギーを中心としたものに大胆に転換していけば、原発ゼロ、石炭ゼロでも存立する」と訴えた。
さらに菅義偉政権に対して、小泉氏は、
「2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするという方針を政府は掲げた。しかし、その目標が原発を温存する理由になってはならない。脱炭素社会の実現は、原発ゼロでも可能である」
と、クギを刺した。(ジャーナリスト 済田経夫)