「休日、夫が家でグータラしてばかりで自己研鑽をしません。このままでは出世に響きます」
というシッカリ者の妻の投稿が大炎上している。
妻は自分でも資格勉強や読書が大好きなので、ビジネス書も読もうとしない「ダメ夫」に不満を募らせているのだ。
「あなた、何様のつもりですか」
「鬼嫁ですか」
と反発の声が圧倒的だが...。専門家に聞いた。
「家事は非常に協力的だが、グータラぶりにイライラ」
話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2021年3月5日付)に載った「夫が自己研鑽をしません」というタイトルの投稿だ。
「社会人4年目の20代後半の妻です。同い年の夫が自己研鑽をしません。私は知識欲があり、資格勉強や読書が好きなので、グータラ過ごすことに罪悪感を覚えるタイプです。一方、夫はのんびりして、在宅勤務中も手すきの時間は寝ており、休日は昼頃起きてパジャマのままグータラしているので苛立ちます(家事は非常に協力的ですが)。夫は、普段の仕事ものんびり屋で、休日はゆっくりしないと体がもたないというわけではありません」
夫は上場企業に勤務。今でこそ平均的な給料をもらっているが、ネットの口コミをみると、いわゆる実力主義の会社なので、スキルを身につけないと数年後には大きく遅れをとる心配がある。そして、こう訴えるのだった。
「私の尊敬する上司や知人は皆、当たり前に自己研鑽(ビジネス書を読む、資格勉強をするなど)をしているのに...。出会った学生時代は魅力を感じていましたが、社会人として成長意欲のない夫に魅力を感じなくなってきました。夫にどのような声がけをすれば自己研鑽の意識を持ってくれるでしょうか」
「むしろ心に余裕があって、いい結婚相手です」
この投稿に対して、圧倒的に多くの人が夫に同情的で、「何様のつもり」「鬼嫁ですか」「休日にグータラしてどこがいけないのですか」と、猛批判が相次いだ。
「自己研鑽しないことの何がいけないのでしょうか。夫とはいえ、意識を変えようとすることは価値観の押し付けであり、支配であり、個性を認めていないことです。傍らに成長意欲のない人がいることを認めることも、耐えることもできないのであれば離婚しかないでしょう」
「出世に遅れをとったとしても、夫がどう考えるかですよ。むしろ心に余裕があって、結婚相手としてはいいと思いますよ。あなたも家に帰ってリラックスできますし。自己研鑽しなくても沙汰なく仕事をできる人はたくさんいます」
「家事は非常に協力的。いいじゃないですか!とっても素敵です。家事に協力しない夫がなんと多いことか。あなたは自己研鑽に励む上司に魅力を感じているようですが、彼らは家事に協力的でしょうか。洗い物をしてほしいと頼んでも、『僕がいま勉強しているのがわからないのか!』と怒られそうですよね」
「社会人4年目。戦力として認められ始めて一番鼻息が荒くなる頃ですね。ふふふ、私もありましたよ。夫ではなく、仕事で組まされた相棒。休憩中にも関連書籍を読み耽る私。一方、彼はパチンコに。困るのは自分なのにどうして勉強しないのか不思議でしたが、本人は困っていないのです。何とかなっているから。そんな彼も普通に出世しましたよ。人柄がすごくよかったから。あなたはあなた。夫は夫。思い込みで決めつけないことです」
「意外に『能ある鷹』の大人物かもしれない」
意外に「能ある鷹」の大人物かもしれないという声も、いくつかあった。
「案外、『能ある鷹は爪を隠す』かもね。実際そういう人いますよね。何も努力してなさそうなのに出来る人。お似合いの夫婦だと思います。どちらもグータラ、あるいはどちらも自己研鑽でガツガツ、というよりいいんじゃないでしょうか」
男性からも「見守ってあげてほしい」と同情の投稿があった。
「私は男です。妻は理系の研究者で、家でもいつも勉強しています。専門書を読んだり論文を書いたり英会話の番組を聞いたり、さらには休日に学会もあります。私は妻に触発され、暇な時間は英会話や資格取得の勉強をしています。ゲームやテレビ観戦に興じる雰囲気ではありません。ただし、これは妻から言われたからではありません。自分で上昇志向、収入を増やそうという野心があったから。あなたの今の状況では夫を見守るしかないでしょう」
(福田和郎)